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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第29章 カモミールの庭で


「そんな…、とんでもないです…!」

「遠慮しないで、本当にそう呼んでほしいのよ」

「……わかりました。ではイルザさん…」

「ありがとう、マヤさん。これで私たちはお友達よ、よろしくね」

「よろしくお願いします…」

微笑み合うイルザとマヤの間に公爵夫人が割って入った。

「あたくしも仲間に入れてちょうだいな。マヤさん、あたくしはアマンダよ」

「ア、アマンダ様…」

「ちょっと! あたくしも “さん付け” でよくてよ?」

「は、はい、ではアマンダさん…」

「それでいいわ」

アマンディーヌ・バルネフェルト公爵夫人は、自身のお気に入りの愛称であるアマンダと呼ばれて悦に入って一人うなずいている。

「ところでどうしてイルザには最初から “さん付け” で、あたくしには “様” だったのかしら?」

「……それは…」

……ラント前侯爵夫人はレイさんと話をするときに “イルザさん” とすでに呼んでいたから、なんて言えないわ。どうしよう…。

マヤが答えに困っていると、イルザが横から代わりに答える。

「そんなの決まっているじゃない。野に咲くカモミールの私は “さん” で、大輪の薔薇のようなアマンダには “様” が似合うからよ」

「いえ、違います! そんなことは決して…!」

とんでもないイルザの返答に慌てるマヤ。

「うふふ、冗談よ」

全然笑えない冗談だわとマヤが思っていると、アマンダの満足そうな声が聞こえてきた。

「マヤさんがあたくしを薔薇の花だと思って様付けにしたなら、それはそれで間違いではないわ」

「はぁ…」

「でも! 様付けしなくていいからね、よろしくて?」

「……はい」

「あぁそうだ、アマンダでなくてお母様と呼んでくれてもいいのよ? ねぇ、今からでも遅くないわ。兵士をやめてレイのお嫁さんにならない? そしてあたくしの愛娘として面白おかしく毎日お茶会をして、楽しく暮らしましょうよ!」

「えっ、それはちょっと…」

アマンダの突拍子もない提案に、マヤはたじたじになる。

「アマンダ、マヤさんが困っているじゃない。それくらいにしてあげて」

助け船を出してくれたイルザを感謝のまなざしで見つめる。その視線をしっかりと受け止めてイルザは、優しく微笑んだ。


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