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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第29章 カモミールの庭で


「そうです。マリウスのお父さんみたいな人がいるから、村や町の誰かを訪ねてくる人がいてもすぐに案内できます。でも王都は…、イエローブみたいな商人街ひとつをとっても規模が大きすぎて、全体を把握している人がいません。だからマリウスのお父さんみたいな人の代わりになる名簿を作ったらいいんじゃないかって…」

「なるほどな…」

「リーゼの名簿のおかげで団長の手紙が早くメリーさんに届きました。その話を聞いてリーゼはすごいなぁと思ったんだけど…」

マヤはリーゼの住民名簿の話を聞いてから、なんとなく頭の中でぼんやりと浮かんでいたある考えを、うまく伝えられるかどうかと少し緊張する。

「それで…、あの今回、ザックの遺品を届けにメトラッハ村に行ったけど、行き違いでご家族に会えなかったですよね…。でももし、リーゼの作った住民名簿みたいなものが調査兵団にあったら、違っていたと思うんです」

「……兵団にか」

「はい。もし兵団に私たち兵士の情報をできるだけ詳しく載せた名簿があったら、ザックのおばあさんのおうちが王都にあるとわかって、すぐにそちらに伺えたと思うんです。今私たちの情報は訓練兵団から上がってきたものだけです。訓練兵団によってその内容と書式もバラバラだったはず。私の出た西方訓練兵団の履歴書は氏名と実家の住所と成績だけですが、東方訓練兵団のは本人の性格も書かれているみたいで…」

「あぁ…、確かにそのとおりだ」

リヴァイはその役職から全兵士の履歴書に目を通す機会があるので、マヤの言っていることがよくわかった。

新兵が入団したときの分隊への配属や、殉職して遺族訪問するにあたって実家の住所を確認するときの履歴書は、訓練兵団から送られてきたもの。記述してある内容が、訓練兵団によって違う。

「だからオルオは最初に配属されたときに上から、やたら舌を噛むなと牽制されたらしいです。なんで知ってるんだって不思議がってたらペトラが、“馬鹿ね、そんなの訓練兵団から調査兵団に提出された履歴書に “舌噛みに要注意!” とでも書いてあるんだって!” と言ってましたよ…」

苦笑いするマヤ。リヴァイは表情ひとつ変えなかったが、そのときのペトラとオルオのやり取りが容易に目の前に浮かんで内心ではやれやれと思っていた。


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