• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第29章 カモミールの庭で


「あっ…」

アレハンドロが曲がった角を見つめていたマヤは、リヴァイに一言だけ説明をした。

「……彼も幼馴染みです」

「そうか」

マヤに関しては、なんでも漏らさず記憶しているリヴァイは、当然アレハンドロのことも憶えていた。

……確か、マリウスと一緒にいじめてきたやつらのうちの一人だが…。一番マヤに対して優しく接していたやつだったな…。

なんとなくモヤモヤとした気持ちが湧いてくるが、そこはぐっと我慢する。

「アルテミス、オリオン。ただいま~」

相変わらず密着して飼い葉を食んでいる馬たちに、マヤは声をかけた。

ブルブルブル!

二頭の鼻音は、ご機嫌なことこの上ない。

「ふふ、あとで人参も持ってくるからね」

マヤは馬たちに向けた優しい笑顔のまま振り向いた。

「兵長、入りましょうか」

「あぁ」

勝手口から、二人で家の中へ。

暖かいランプの橙色の向こうから、ルチアが出迎えてくれる。

“ただいま” “おかえり” と飛び交う声にリヴァイは思う。

……帰る家があるってのは、こういうことなんだろうな…。

外でどんなに戦って傷ついても、帰る家があって。互いを想い合う家族がいて。一つ屋根の下で食卓を囲んで。

平凡だけれども幸せな暮らしを肌で感じて、リヴァイは立ち尽くす。

……俺は、ここにいてもいいのか?

地下街でゴロツキだった俺が、血なまぐせぇ荒んだ生活を送っていた俺が…。調査兵団に入ってからも一体何人の部下を見殺しにしてきたかわからねぇ俺が…。

善良な人の集うクロルバの街で、善良な仲の良い家族の団らんに何食わぬ顔をして加わっても…?

「兵長、どうしたんですか?」

先に家の奥へ入っていたマヤが、不思議そうな声を出す。ルチアも振り返った。

「早く入ってくださいな。マヤは台所を手伝って。兵士長は酔っぱらいの相手をお願いするわ」


/ 1884ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp