第16章 Dilemma【青峰大輝】
つばきは俺との関係をいいものに保とうと努力してくれてた。
確かに産後レスって聞くけど、今回がきっかけで色々調べたり、自分の行いを振り返ったりして気づいたことがあった。
「レスになっちまうのって、多分女側の問題じゃねぇんだよ。男の非協力と無関心と受け身でいるその姿勢がそれの原因だと思った。大変な時に何もしねぇ男のことなんか好きでいられるわけねぇんだよ」
「あたし、大輝のことは大好きだよ。家事も育児もすごくやってくれるの嬉しい。だからこそ気分が向かなくて悪いなって思うの」
振り返れば全然できてなかったのに、つばきは俺を好きでいてくれて家事とか育児のことも認めてくれてた。
久しぶりに大好きだって言ってくれたこともすげー嬉しかった。
「俺はレスにならねぇ為に家事とか育児をしてる訳じゃねぇから、そこは同列で考えなくていいんじゃねぇか?家事も育児も一緒にやるのは当たり前のことだけど、あれはお互いの気持ちと環境がととのって初めてできるもんだろ?」
「……浮気……したくならない?普段から冷たくされて、気が向かないとか言われて、あたしのこと嫌にならない?」
「なんねぇよ。浮気なんかしてる時間があんならつばきといてぇし、自分の子供産んでくれた相手を嫌いになるとか俺はねぇわ。」
つばきからこんな風に言われたのは初めてだった。
疲れてると悪い方に考えちまうって本当なんだな……
付き合ってたときもクソ上司が馬鹿な事してくれた時以外で浮気なんて言葉全然言わなかったのに。
「俺はつばきと息子といられる今より幸せな生活は存在しねぇって思ってる。」
「家出してごめんね。ちゃんとお家帰る」
「せっかく来たし、俺も火曜までは休みだから親父さんたちいいならあと2泊くれぇ世話にならねぇ?」
「大輝はいいの?」
いいに決まってる。
俺はつばきと息子のいるとこで一緒にいれるならどこだって構わねぇ。