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【黒子のバスケ】短編集

第16章 Dilemma【青峰大輝】


赤司が用意してくれたヘリに乗り込んで到着までの時間を聞くと、着陸するヘリポートから実家までが20分で、トータルは1時間45分

今が19時

順調に行きゃ21時前に着いて、運が良きゃつばきは起きてるかもしんねぇけど、ちゃんと寝かせてやれってさっき言われたばっかだし、遠い距離を一人でも移動したのは多分俺の顔を見たくねぇからだって思ったから、フライト中につばきの実家に近いホテルを予約した。

けど、不意打ちで行って話すらして貰えねぇのは避けたくて連絡だけは入れることにした。

(ごめんな。ちゃんと話してぇから明日起きたら連絡がほしい。)


今までも喧嘩はあった。
けど、出ていくってことは1度もなかった。

新幹線で3時間もかかるとこを6ヶ月のチビ連れて荷物もって移動なんてめちゃくちゃ大変だったはずなのに、それでもそれを選ばせちまった。




送ったメッセージは既読にならねぇままヘリを降りて、人生で初めてホテルに備え付けられてたメモを使った。


あいつらに言われたことだけじゃなくて、今までどうして欲しいって言われてたのか、俺になにができて、何をやるべきだったのか徹底的に考えた。
多分これでもまだ穴だらけなんだってことはさすがに言われなくてもわかる。

どうして欲しいのかをつばきが言えるように、その体力を残せるように俺が立ち回らねぇといけねぇ。

緑間に言われたシッターと家事代行を調べて、自治体の助成制度も分からねぇなりにまとめた。

ガルガルもホルモンも聞いちゃいたけど理解できて無さすぎたんだって調べて初めてわかった。

産後はすぐ夜泣きに気付けるように眠りが浅くなるホルモンが出てて、それと同時に、寝なくても脳を機能させるために生命維持に関わらない部分の働きが弱まって、記憶力に影響が出るなんて全く想像してなかった。



つばきからのメッセージを読み返して、朝パン焼いたことすら忘れてて、昼に思い出したからそれ食ったって笑った絵文字付きで送られてきてたけど、それが日常茶飯事なんだって気づくべきだった。

授乳の為に食事も気を使ってた。
食いてぇものじゃなく、食うといいって言われてるものを意識して食ってくれてた。



一緒に暮らしてたのに、俺は何にも見えちゃいなかった。
つばきは全てが変わったことに必死で対応してくれてたんだ

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