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【黒子のバスケ】短編集

第16章 Dilemma【青峰大輝】


「家事や育児はきちんと参加出来ていたか?」

「やれることはやってたつもりだった」

「それではダメなのだよ。やれることをやる。つまりはやれない事は全て妻が負担している。妻はできないからを理由にやらないという選択肢はない。それでは子供が死んでしまうからだ」

その通りだ。
やれることはやる。けど、できねぇことはしょうがねぇって思ってつばきに家のことも子供のことも大半をやって貰ってた。
仕事の都合をつける努力と工夫を精一杯やってたのかと聞かれると自信がねぇ。

「だが、お前が働かなければ食っていかれないこともまた事実だ。折り合いを付けるために家事代行やシッターを使うことを考えて具体的に提案するという事はしたか」

「やってねぇ……」

「助成制度もある。そういう細かいことを調べるのは苦手だろうが、それはお前がやらなければならないことなのだよ。」

シッターも家事代行も、使いてぇって言われれば否定はしなかったけど、きっとそんなのを調べてる時間も余裕もなかったよな……
俺は受け身すぎた。
大変そうだと思うなら、解決する術を俺が調べるべきだった。


「峰ちんさ、奥さんが最近何したいって言ったか覚えてる?」

「温かいうちに飯くいてぇって……一昨日言われた」

「じゃさ、一昨日から今日の朝までに奥さんがそれできるようになんかした?」

「してねぇ」

「多分さ、峰ちんのことだから、週末の夕飯ゆっくりさせたげよって思ったかもしんないけどさ、奥さんは朝飯とかでも良かったと思うよ。小さいことでも言った事をすぐしてくれると嬉しんじゃない?」

そうだよな……
多分何をしてぇって言った時点ですぐやってりゃ少しは違ったのかもしれねぇ。

つばきを大事にしてたつもりが、俺全然できてねぇじゃん。
言われねぇとなんも気づけねぇ

こんな旦那じゃ嫌になるよな……









「わりー!環八激混みだった……って、何だこの重力最大空間」

「青峰が奥さんに出ていかれてしまって食事の前に離婚回避の作戦会議中だ。久しぶりだな、火神」

「おう。てかマジか」

「マジです」


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