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【黒子のバスケ】短編集

第16章 Dilemma【青峰大輝】


触らないでなんて、あんなに強く言ってしまって、謝ろうと思ったのにごめんねって言えなくて、大輝の悲しそうな顔がずっと頭から離れない。

あたしが悪いのに、ごめんって言ったのは大輝だった。


大輝を嫌いな訳じゃないのに、妊娠中からずっとしてないから、大輝はしたいのかなって思ったら咄嗟に拒否をしてしまった。
だけど、あんなに強く拒絶しなければ良かった。


大輝はちゃんと話せば何でも寄り添って理解しようとしてくれるし、無理やり押さえつけたりなんて絶対しないんだから、まだ行為する気分になれないって話せばよかっただけなのに。

それなのに……
ソファで腰に手を回されただけですごく酷い言い方をしちゃった。


やっと決まった時間にお昼寝してくれるようになった息子。
昨日の夜だって、仕事終わってすぐ帰ってきてお風呂も寝かしつけもしてくれたのは大輝だったのに。
子供のリズムを優先する為に一緒に頑張ってくれてるのに。

夜泣きしてると次の日仕事なのに交代してくれたり、夕飯作れてないって連絡したら買い物もしてきてくれる。


なのに、あたしここ最近ずっと大輝に優しくできてない。


自己嫌悪になって涙がどんどん溢れてきて、大輝にごめんねって送ればいいだけなのにそれが出来ない。

スマホにある結婚式の動画を見てると、更に涙が止まらなくなった。

毎日ツンケンしてるあたしがいる家に帰ってきたくないって思うよね……








「もしもし?」

「お母さん、ちょっと実家に帰りたいんだけど、いい?」

「いつよ」

「今日から」

「……まぁいいけど、迎え行く?自力でこっち来れる?」

「自分で行ける」

「はいはい。気をつけて」


実家までは新幹線で3時間。

前回の帰省の時は大輝が一緒にいて色んなことをしてくれたけど、今回は1人。


午後のお昼寝の時間に合わせて家を出た。

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