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【黒子のバスケ】短編集

第16章 Dilemma【青峰大輝】


「やだっ!触んないで!」


昨日の夜つばきに言われたこの言葉が、今も俺の頭の中で何度も何度もリピートされてる。

子供が産まれたら夫婦仲が悪くなるなんて都市伝説だと思ってた。


妊娠が分かって、里帰り出産にするかどうかギリギリまで悩んだけど、実家が遠方だからってつばきは里帰りしねぇでこっちで二人で頑張るって決めてくれた。

あの時は、俺と一緒にいてぇって言ってくれたんだよな……
けど、多分つばきはもう俺の事なんか好きじゃなくなっちまったんだろうな……


「はぁー……」

「青峰君。君はいつからため息で呼吸するようになったんですか?早くPCの電源入れてください。始業時間30分も過ぎてます」

「テツ……俺が離婚されたらスパイになってつばきと息子の様子を俺に毎日教えてくんね?」

「なりません。あと1時間で赤司社長のとこに行くんですからさっさとPCの電源入れて仕事して下さい」

いいよな。家庭円満って。
すげー羨ましい。

「はぁー……」

仕事したくねー。頑張れねー。

結局俺は仕事だってなんだってつばきがいてくれるからやれてた訳で、つばきに触られるのも嫌な程嫌われちまったら何もかも頑張る意欲なんか湧かねぇ。







だけど時間は待っちゃくれねぇ。


赤司んとこ行って共同プロジェクトの打ち合わせして、全員で昼食ってまた打ち合わせ。





「今日のところはここまでだな。」

赤司の一声で打ち合わせが終わったのが18時。


この後約束はあるけど、とりあえず仕事が終わったことだけは連絡しようとスマホを開くとつばきからメッセージが届いてた。













(ごめんね。実家に帰ります。作り置きあるから食べてね)




















実家に帰る……って




離婚って







こと……か?






メッセージの受信は5時間前。



もっと早く見るべきだった。








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