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【黒子のバスケ】短編集

第15章 unexpected happiness【青峰大輝】


3週間の育休はものすごい速さで過ぎ去っていった。

とにかくつばきに体を休めてもらいてぇって思ってたけど、俺1人じゃできねぇ事がめちゃくちゃ多かった。

産院は母子同室の個室で父親は一緒に泊まれたから、産院がやってくれる新生児指導全部をつばきと受けたけど、オムツもミルクも抱っこも俺のが下手だった。

家では授乳8割、ミルク2割だったのに、ミルクやってあやしてオムツ替えてたら、家事は手付かずなのに午前中終わってるなんて日常茶飯事。
昼間ご機嫌で調子いいと思ってたら夕方全然泣き止まねぇとか、夕方いい子で寝てたら夜元気に泣きわめくとかも普通。
なんなら一日中ぐずってる日もあった。

だけど、一日中ご機嫌な日はねぇ。

多分育休がなきゃ俺はこの日常を知ることはなかった。
長く取れた訳じゃねぇから、職場に戻ってからは息子に俺を父親だと覚えてて貰えねえこともあった。

生後半年ぐれぇの人見知りでは、数日起きてる時に会わねぇだけで知らねぇおっさんでも見るような目で俺を見て、つばきにしがみついてぎゃんぎゃん泣いたし、1歳近くなってからは俺の抱っこを全力で拒否してつばきのトイレにまでついていってた 。

そして、1歳半をすぎた頃、近隣の所轄も巻き込むようなでかい事件が起きて本庁の俺は満足に帰れねぇ日が続いた。
やっとひと段落した後3日間の休暇を取って、休暇の間はとにかく息子との時間にした。

持ってるおもちゃの遊び方を教えられたり、公園の砂場で一緒に砂遊びしたり。

海にも行った。
砂浜でひたすら遊んで、カニとヒトデと小せぇ魚を捕まえて見せるとすげぇ嬉しそうだった。

そして休暇が終わった翌朝、仕事に行く俺をつばきと見送ってくれた時、「パパ、またきてねぇ」って言わせちまった。

息子にとって父親は、たまに遊びに来る人間って感じだったのかもしれねぇ。


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