第15章 unexpected happiness【青峰大輝】
「大輝、明日朝の送りできる?!」
「おー」
「ごめん。お願いしたい。今日収拾つかなくて明日朝5時からNYのクラアントとミーティングになった」
「なら用意も俺やるわ。車使うか?」
「大輝送る時使うでしょ?あたし電車でいいよ。駐車場代もかかるし」
「いや、早朝なら車のが時間余裕あんだろ。パーキングの位置情報送ってくれりゃ俺途中で取り行くから乗ってけ」
子供の送り迎えは曜日で割り振ったけど、こんな感じで変わること多々。
大輝が事件で署に詰めてるときはもちろんあたしだけど、あたしに仕事が入ると送り迎えの時間だけ抜けて融通してくれたりもする。
「ありがたいけど、歩ける?」
「早めに出て、歩かなきゃ抱っこしてくわ。涼しくなったし」
「本当に?大変じゃない?」
「妊婦に早起きさせて電車乗らせたくねぇの」
あの時お腹にいた子は今4歳の年中さん
あたしは2人目を妊娠中
「ありがとう」
「無理すんなよ」
「うん」
5年前、予想外の妊娠に戸惑うあたしを、今と同じように抱きしめて背中を撫でてくれた。
「ママ!ぼくも抱っこ!!」
「俺がしたばっかなんだから待ってろよ……」
「ぼく!抱っこ!」
あたしと大輝がくっついてると必ず間に入りたがる息子
あなたの存在を誰よりも最初に喜んだのはパパだよ
「しょーがねぇな。抱っこしてやる」
「ママがいい!」
「ママは疲れてるからパパいる時はパパにしとけ」
「たかいたかいやって!」
そうやって、一番あなたと遊んでくれるのもパパだよ。
あたしたち家族の幸せはいつも、大輝が支えてくれてる。
「寝たか?」
「うん」
「ありがとな」
「洗い物ありがと」
バタバタしてるし、SNSで見るようなキラキラした生活では無いかもしれないけど、どんな結果でも不幸にはしないって言ってくれた言葉をずっと守ってくれてる。
高校の時のあたし、ほんと見る目ある。
「無事に心拍確認できたよ」
「よかった……すげー嬉しい」
あの時と同じ優しい声と背中を撫でる手。
少しも変わらない幸せと安心感。
不安も戸惑いも、全て受け止めてくれた。
これからもきっと想定外は起こる。
でも彼はその全てを幸せに変えてくれる。