第15章 unexpected happiness【青峰大輝】
病院の問診で聞かれるまで、本当に妊娠の可能性は少しも浮かばなかった。
高校の時から一度も避妊しなかった事はなくて、酔ってても絶対流されたりしなかった。
大輝だってそんな事ちゃんと分かってるはずで、同じ状況なら自分の子供じゃない可能性を疑う人だっているのに……
「大河内さん、結果出たので寝たままでいいのでお話させて下さい。ご主人様も一緒でよろしいですか?」
「はい」
検尿と血液検査してから30分。
部屋に来た看護師と医師が私のベッドの横に立つと、大輝がぎゅっと手を握ってくれた。
暖かくて大きくて、優しくて、いつもあたしを守って大事にしてくれたこの手が触れるだけで、少し気分が落ち着く。
「妊娠検査の結果は陽性でした。詳しい検査は本日はできませんので、明日以降近いうちに産婦人科で診てもらってください。今日は脱水もありますし、貧血もあるので、胎児に影響のない鉄剤と栄養剤の点滴をしますので、終わったらナースコールを押してください。何かお聞きになりたいことはありますか?」
「あの……私今日、お酒を飲んでて…赤ちゃんへの影響とかは……」
「どれくらいの量ですか?」
「ビールとチューハイ合わせて5口くらいです」
「少量なので胎児に影響が出ることは考えにくいですね。今後お酒を控えて頂ければ大丈夫ですよ」
医師の指示で点滴を繋いでくれた看護師も部屋を出て2人になると、大輝がおでこにキスして頭を撫でてくれてる。
「つばきは戸惑ってるだろうし、不安もあるのは分かってる。……けど、俺はやっぱすげー嬉しい」
「戸惑ってるし、不安もあるけど……あたしも嬉しい」
検査する前はあんなに怖かったのに、不思議と今は怖さは感じない。
今後のことを考えると、職場には突然のことで迷惑を掛けてしまうかもしれないってことはすごく申し訳ないけれど、大輝との赤ちゃんを授かれた事が嬉しい。
「つばきの親にだけは妊娠のこと話していいか?入籍を早めさせて欲しい事をちゃんと説明してぇ」
「うん。大輝のご両親にも話したいから、時間貰えそうかな?」
「うちは俺電話すっから、今は自分の体調優先しろ」