第15章 unexpected happiness【青峰大輝】
困るとかはねぇし、もしできてんだったら俺はすげぇ嬉しい。
けど想定外なのは事実で、今後の予定は全部変えざるを得ねぇ。
受付に問診を渡すと看護師が目を通して、あとで行くから戻ってるように言われてつばきのとこに戻った。
「大丈夫か?」
「……うん。でも、妊娠だったら……どうしよう」
「はっきりしたら今後の予定もっかい組み直す。式は延期になっちまうけど……引越しは俺やるからつばきは必要なもんまとめられる時まとめてくんね」
「うん」
高校から付き合ってて、数え切れねぇぐらい抱いたけど今まで避妊しなかったことは1度もなかったし、つばきの生理が1週間以上遅れてるってのも聞いたことがなかった。
けど、先月から今月初旬に掛けてつばきは海外とのやり取りをする案件が重なって生活が不規則で忙しくて変な時間に起きたりしてた。
生活の乱れで遅れただけとも考えられるけど、海外との案件は普段からあって忙しいのも今回だけに限ったことじゃねぇ。
「大河内さん。具合どうです?妊娠の可能性ありってことだけど、調べてないってことでいいですか?」
「はい。……さっき思い出したとこで……」
「ここの御手洗で検尿取ってもらって、小さい扉ついてますから、そこに出してください。お名前間違ってないですか?」
「はい」
看護師から紙コップを受け取って、看護師が出てもつばきはベッドに座ったままそれをじっと見て動かずにいる。
「立てねぇ?」
「違う……不安なの……妊娠してたら……色々が……」
俺はテンパりすぎててつばきを見てなかった。
今後のことやら引越しのことよりも言うことがあった。
座ったまま涙目になってるつばきをゆっくり抱きしめて、背中をそっと撫でた。
「確かに今妊娠してんなら想定外に早かったとは思う。けど俺はすげぇ嬉しい。結果がどうであっても不幸にするようなことはしねぇって約束する」
「……大輝は、子供……嬉しい?」
「嬉しいに決まってんだろ。すげぇ嬉しい」
俺はどうしたって産む側にはなれねぇから、不安な気持ちを完全に分かってやることは出来ねぇ。
けど、だからこそその不安には誰より耳を傾けるべきだと思ってる。
「結果でたら一緒に聞いてくれる?」
「当たり前だろ」