第15章 unexpected happiness【青峰大輝】
「おつかれ。かんぱい」
「お疲れ様です」
喉も乾いたし飲み物も届いたから、とりあえず乾杯してビールに口をつけた。
え……
にが……
まっず……
「つばきさん……?どうしました?」
「あ、いや、これ思ったより苦くて……びっくりしただけ」
あたしはビールも結構好きでよく飲むけど、こんなに苦いのは初めて。
苦味が穏やかなのが好きだから、メニューに書かれてた苦味の☆が少ないのを選んだはずが過去一苦い。
「なんか違うのにします?」
「ううん。これはこれで飲んじゃう。もったいないし」
味濃いめなおつまみで苦味を誤魔化して、チビチビ飲みながらこころちゃんに話を再開してもらった。
「実は、メッセージもすごい頻繁で……ちょっと読んで貰えません?」
「いいけど……あたし読んで大丈夫?」
「全然大丈夫です!」
こころちゃんが差し出すのはくまさんのケースが付いたスマホ。
可愛い女の子が可愛いものが好きって、もう可愛いがせめぎ合ってる。
渡された画面を見て、スクロールの許可を貰ってからこころちゃんと小林のメッセージに目を通した。
なんていうか……
うん。
こころちゃんのいい所はいかんなく発揮されている。
嘘が付けないからなのか、聞かれたことに本当のことを返してる。
別れた理由とか、元彼にはもう未練が無いとか、遠距離は寂しいとかその他諸々の恋愛観。
こころちゃんが大学からの彼と別れたことは聞いていた。
お互いに倦怠期を感じていたところに彼が転勤になって、ダラダラと付き合ってもきっといい結果にはならないって話合った末の結論だから、少し寂しいけど後悔はないって言っていた。
だから、あたしからすれば、こころちゃんは聞かれたことに答えてるだけなんだって分かるけど……
多分小林は、脈アリだと思ってるのかも……
年上で優しくて、頼れる人がタイプで連絡はマメな方がいい
お話聞いてくれたりすると嬉しい
いい人いたら恋愛はしたい
積極的な人がいい
いいのよ。いいの。
お友達との恋バナなら全然言っていいの!
でも、距離置きたいと思ってる異性ならめちゃくちゃ逆効果かも……
だって小林は絶対これを自分だと思ってる気がするんだもん。