第12章 Bout
セミが鳴いている。
私はいつもの通学路を歩き、家路につく。
公園に差しかかるとつい癖でだれかいないか見てしまう。近所のおばあさんや、友達の妹とその仲間たち、仲良しのわんちゃんと飼い主さん。ここには知り合いがいることが多かった。
いつからだろう。
この公園を避けるようになったのは。
「あ、まり」
見知った顔が公園の入り口にいた。
車止めに寄りかかりながら携帯をいじっている。
「タカおにーちゃん」
「学校終わり?」
「うん」
軽く会話をして、商店街方面へ歩いていく。
寄り道だ。でも、どこへ行くんだっけ。
「このあたりなんだけど」
「いないね」
頭が痛い。
「あっちにいるのかも」
商店街の、古いゲームセンターの脇の路地。
だれを探しているんだろう。
「──綿世?」
表通りにクラスメイトの姿が見える。
振り返って、返事をしようとして、それで──。