第12章 Bout
「綿世、行くぞ」
轟くんに呼ばれ、みんなと挨拶を交わし教室を後にする。
「今日は演習場の使用許可が取れた」
「えっ!代わりに取ってくれたの?いつ?」
「休み時間」
「いつの間に⋯⋯誘ってくれれば私も行ったのに」
「いや、別件で職員室に用があったついでだ。気にするな」
「ありがとう」
せっかく演習場で特訓ができるなら、戦闘時の接触を想定したものにするのはどうだろう。提案すると、轟くんはうなずいて「俺もそう考えてた」と答えた。
「林間合宿楽しみだね。赤点もなくて一安心だよ」
「綿世なら問題ねぇと思ってたが。峰田ともうまくやってるんだな」
「うん。謎の絆がうまれた」
「何かあったのか?」
「んーあったやつが解けたって感じかなぁ。スタートがマイナスだったからね」
「やっとスタートラインってことか」
「そうそう!」
他愛ない話をしながら廊下を歩く。演習場につくと互いに更衣室で着替えを済ませて合流した。
「あれ、貸し切り?」
演習場には他の生徒はいない。てっきり、合同かと思ったのだが。
どうやら今日は本当に空いていたらしい。まぁ、期末テストの後、かつ夏休み前だもんね。轟くんが相澤先生に聞いたところ、夏休みもそれなりに使う生徒はいるが、使用許可自体はいつでも下りるだろうとのことだった。
私の代わりにいろいろ確認しておいてくれたとは、ありがたいやら申し訳ないやら。しかし、本人としては本当に書類提出のついでだったようだ。