第11章 Advance
「ほーら顔上げろって。俺らだけでも作戦練らないとマジで危ないだろ?綿世頑張ってんだから大丈夫大丈夫」
「頑張ってないです……」
「頑張ってるだろー?さっき俺の肩触ってたし?この前は上鳴の腕も触ってたから地味に感心しちゃったよ?」
だから大丈夫。
瀬呂くんはそう言って両手で私の肩をぽんと一つ叩いた。
──怖くない。……大丈夫だ。
顔を上げると私に目線を合わせるようにしゃがんだ瀬呂くんがいて、目が合うと彼は歯を見せて笑った。
「さっさと話さねぇと時間ねーよ!」
「うん!」
それからステージに移動するまでの短い時間、私達は話し合いをした。
まず前提としてミッドナイト先生から距離を取ること。無理だと思ったら一人でもゲートから脱出すること。
会敵したら私と峰田くんが引き付け役を担う。その間に瀬呂くんはゲートを目指し、隙があればカフスをかける──といった流れだ。
万が一、一人眠らされたら全滅を避けるべくゲートからの脱出に絞り行動する。
詳しく練るほどの時間はなかった。後はその場で機転を効かせて動くしかない。
「峰田くん頑張ろうね」
「任せろ!」
「信じてるよ……!」
やけにやる気満々な峰田くんに苦笑しつつも胸元で拳を握った。
入学して数ヶ月。そんな短い間だけど培った経験は大きなもので。確実に私の力になっているはずだ。
授業だけじゃない。職場体験に、予期せぬ出来事だったけどヴィランと対峙したこともあった。轟くんとの特訓の成果も、ちゃんと出てる。
自信を持とう。体育祭の時とは違う。
協力して勝つんだ。
開くステージの扉を見据えて地を踏みしめた。