第11章 Advance
期末前半戦。いつもの数倍緊張感の漂う教室で筆記試験を終えた。こんなもんだろって顔、ベストは尽くしたって顔……皆それぞれだけどこの感じなら筆記で赤点は出ないんじゃないかなというのが私の所感だ。
そして迎えた後半戦──。
「峰田くんとチーム、ですか」
「何か問題でも?」
「そういう訳じゃないですけど、あからさまですね」
「お前の課題だろう。特訓の成果、どんなもんか期待してるぞ」
相澤先生はニッと嫌な笑みを浮かべた。各々の課題をぶつけられた演習試験。
無論、私の課題は「異性との接触」だろう。
ましてや峰田くんは入学早々のセクハラ以来、因縁の相手である。嫌ってるわけじゃないから因縁は言い過ぎかもしれないけれど。
「このチームなら捕物に向いてるし上手く連携取ればいけるだろ。頑張ろーぜ」
悶々とする私に瀬呂くんが軽い調子で笑った。握られた拳はやる気に満ちていて安心感がある。
「ミッドナイトだぜえええヒョオオオ」
瀬呂くんの言葉に被せるようにして峰田くんが一人叫んだ。直前に与えられた安心感も一気に消し飛ばされて気持ちが沈む。
「……いける?いけるかな、これ……」
「おいおい綿世、始まる前から絶望すんなって。気持ちはわかるけどな?峰田もやる時はやるし、俺もいんだから大丈夫だって」
峰田くんの興奮っぷりに勝利のビジョンが霞み不安に襲われる。そんな私を瀬呂くんが励ましてくれるけれど、隣から聞こえるセクハラ発言に相殺されてしまいあまり意味を為さなかった。
「じゃあ時間まで作戦を立てようか」
「おう!いかにひん剥くかだな!あわよくば綿世も──」
「やめろやめろこれ以上綿世のモチベ下げんなって」
「瀬呂くんやっぱこのチーム不安すぎるよおお……」
峰田くんに触られて暴走しない自信が無い…!
瀬呂くんの丸く張った肩をがくがく揺さぶる。
峰田くんって轟くんとは真逆のタイプだし、またちゃっかりぬるっとするっと触られたら耐えられるかどうか。
そこも問題だけどまずミッドナイト先生をどうやって打破するかだ。カフスをかけるか、ゲートを潜り抜ければ私達の勝利。
全員がミッドナイト先生の個性で眠らされたら私達の負けだろう。
ああ駄目だ、失敗のイメージばかり浮かんでしまう。
しゃがんで膝に顔を埋めて嘆いた。