第104章 最初(始祖)
事の深刻さを理解していないのは…
知ろうとしていない人達だけだ
アフトクラトルからすれば自分は
懐に入れるほど信頼していた、のではなく…
見せても問題無い範囲のみに留めていてこれだと、恵土は理解していた
だからこそ…アフトクラトル全家が一丸となる前に、対策を講じようとしていた
一丸となれば、属国に声を掛け1時間で召集され敵地へ到着
そして……待つのは蹂躙だから
刻まれた当時の衝撃が…恐怖を呼んでいた——市民にも
だからこそ…記者会見という大ごとを起こした
アフトクラトルが積極的に攻めてこなかったのも、旨味が無いからに過ぎないと恵土は理解していた
トリガーが無い
トリオン器官が成長しない
トリオン能力の高いものが多くない
という構図からに過ぎない
だから恵土がいることも踏まえ、ハイレイン、ミラ、ランバネイン、ヴィザ、エネドラ、ヒュースの6人のみで留めた
それがボーダーという組織が拡大しトリガーを持つものが増えた結果、襲撃する旨味が出たと言える
それだけでは無い…
確実に倒せて捕らえられる状態になってから、属国含むアフトクラトル全体による襲撃は行われる
20年前でトリオン兵無しで500人規模(アフトクラトル150名、属国10名ずつ35国)
今では1000人を超える、確実に
白帝という神の力を使えるトリガーはあっても限界はある
アフトクラトルが一丸となれていないからこそ回復も出来ていたが、三門市ではそれでも人手は多い方がいいと入隊希望者が増えた
襲撃されて全て終われば待つのは死
ならいっそ…
そう考えた市民の方が最も多くいた
だから…攫われたC級の家族は一丸となって三雲家へ襲撃し、赤いペンキに張り紙をし、三雲修が入院している内に三雲修の身内を全員殺そうとした
トリガーで抵抗されるのは分かり切っていたから
事を起こした発端である元凶のみが知らない…
倒されたこと、報告しないことが何を呼んだのか、自分が何を招いたかを
全てが自分の不出来故と知りもせず…認めることも無く、自分の思うするべきことのみに専念し続け、本来なら巻き込まれなかった人達を巻き込み続け、傷付けては散らせてゆく…命(いのち)を…ミコト(最初の原初の始祖神)へ最初にしたように——
彼だけが己をヒーローと知らない
否…
全員が、彼が、彼を悪(犯罪者)と知らない
