第104章 最初(始祖)
それを飲んだんだ…
そんな人の家族だ
それを受け入れて応援する人だ
金になんかならなくたっていい
無事に帰ってきてくれさえすればそれでいい
その大前提が、人為的に崩されたんだ…
だから許せなかった…
私は…破った一人よりも何よりも…
攫われたみんなが好きだった
大事だった…
攫われたみんなだけじゃない…
ボーダーのみんなは家族だ
少なくとも…そう思って過ごしていた
死にたかった心が収まって、生き甲斐になってた
楽しくて仕方なかった
けれど…それを危険に晒した
市民を危険に晒した
C級が狙われれば市民が危険に晒される
それを咄嗟に機転を利かせてか、少しでも重傷者を出させないように必死に抱えて走ってくれたって聞いた
ギリギリまで走って、武器で足止めしてなんとか逃げ切れるまで時間を稼いでくれたって
避難所までネイバーは追いかけてこなくて、C級ばかり狙ってたって…
市民から聞いた時…
やっぱりなあ…、C級って…そういうものだよな
って…思った
無理に倒そうとなんてしない
少しでも時間を稼ぐ
長く働いて、地の利を生かして
少しでも多く、長く生きれるように…
私が…何度も教え続けてきたことだ(震え)
なんで……それが守れる人ばかり蔑ろにされなきゃなんねえんだって泣いた
そうしたら…みんな頷いてくれた
尻餅ついたまま、されるがまま殴られて蹴られる中で
肩を抱えて抱き締めて咽び泣く女性がいた
手を止めてくれた
一番無念なのはお前らだろうに…
優しいんだよなあ、本当に…
なんで…そういう人ばっかりが…報われねえんだろうなあ
どうして…ズルばっかする人ばかりが報われて取り上げられるんだろうなあ
遊真を隠蔽する為に、「やられたこと」と「遊真がモールモッド2体を倒したこと」を報告しねえで怠って、「遊真のラッド発見の手柄」も流されるがままに取って
遊真のことがバレた後に報告し直すことだって出来たろうに…木虎に尋ねられるまで認めもしない、上へ正しく報告しようとさえもしない
ただただただただ自分のやるべきことだからと、強くなることばかり優先して
自分のやりたいことの中からしか選びもしねえで、やるべきことからすべきことから逃げて、そういう扱いや仕打ちを受けるべきだなんて思いもしない
怒られるべきだなんて何も思わない、訴えられるべきだなんて思わない
