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Unlimited【ダンまち】

第103章 伝説(でんせつ)





最初の喪失から、82年もの月日が流れ…

長老は自らの名も捨て
戸籍にも残さぬ徹底ぶりでした


そして国に渡すまいとしてか、公正証書を作成し恵土一人へ遺産を行くようにしていました

そして墓石には名もわからないので…
自慢のじいちゃん、と恵土が書きました


亡くなった家族を見た後、真っ先にじいちゃんの元へ駆け出し…
亡骸を抱いて泣き叫びました

長老「べそべそ泣いとるんじゃないわ!女々しい!!
泣き虫は嫌いじゃぞ!!」
生前言われた言葉が、不意に脳裏によぎり

そして……
墓を前に
恵土「見ててね、じいちゃん!
絶対終わらせてくるからね!
じいちゃん達みたいな苦しみ、絶対拡げないよ!」
長老「見ておるわたわけ」
そんな声が、どこからか聞こえた
風の音か…はたまた幻想か

恵土「ふふっ^^//」
墓へ笑い掛けて、去っていった

茶褐色に燻された竹製の扇骨に、淡い水色の布製扇面を張った古い扇子
扇面には赤い金魚4匹、橙色の金魚6匹が泳ぎ、水草や水泡が添えられた涼やかな金魚文様が描かれている
左手側の親骨の先端には、長老が記した「ケ」の一文字だけが残されている


親骨は裏(反対側)の方に書かれていました
左手で開ければ、必ず金魚の面になるように、裏にならないようにと…

左手で使うのが普通となり、己が真価を存分に発揮できるように、と……

右手側、長老が差し手の方は無く
左手側、恵土が差し手の方に『ケ』のみあるという形


生前
たたたたっ!
恵土「じいちゃん!!
じいちゃん!!」ばっ!
ぺたぺた←頬へ触れる
戸を問答無用で荒々しく開けるや否や、飛び込んだ

長老「?どうした?」訝しげ
恵土「じいちゃんが…死ぬ夢、見て
よかった
こわかった
こわかったよおおおおおお
わああああああっ!」ボロ泣き
長老「なんじゃ悪夢か
それぐらいで怖がるな

いいか?
年齢で考えれば、私が先に死ぬのは当然のことだ
生きていれば、必ず死とは直面する
何度でもだ
これから先ずっと経験することになる
肝心なのは、それとどう向き合い、乗り越えていくかじゃ

(がしっ!)←肩を両手で掴む
お前は…未来がある
これから先がある

だから……死を恐れるな
必ず迫る、お前にも訪れる
必ず誰にも訪れるものだ

だから…泣くな」
恵土「でも…っ!(じわっ!)
でもおおおおお!!」ぷるぷる震え


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