第102章 戦乱(せんらん)
長老「ならなんだ?」
恵土「みんなと一緒にお出かけしたい!
海に行ったり森に行ったりして遊びたい!!
でももうできない!!
結界の維持の為に外いけない!だから好きにするんだい!!」
長老「それでお前を腐らせてもか?」
恵土「え?」
長老「いいか?
物事には必ず歪み(ひずみ)が生じる」
恵土「ひずみ?」
長老「うむ
楽をしようとすれば苦が寄る
苦から逃げれば、一時は逃れることは出来ても、必ず付き纏う
付き合ってゆくしかないのだ
その度に、お前は何かを言い訳にして逃げるのか?」
恵土「はっ!)!」瞠目
長老「お前がしているのは逃げだ
向き合うことから逃げている
勉強からもだ
それでいいのか?」
恵土「………それ……は…」俯く
長老「よいか?
勉強は、考える力、学ぶ力、これまで得てきた知識を繋げて結び付けて問いに答える力を伸ばす為にするものだ
つまり…生き抜く為の力だ」
恵土「生き抜く、力…」
長老「ああ
無理をすれば道理が引っ込む
何事にも代償は付き物だ
お前でなくても、必ず誰かがその役目を担うことになる
その時…お前は始祖神の座を明け渡すことになる
そうなった後になってから気付くのでは遅いのだ
先を見なさい…
何十年も耐えるのは辛いだろう
結界の適性もあって、6歳から問答無用で継がされたのも辛かったろう
だが今それは捨て置きなさい
何を為すか、どう生きるか
そして…自分とはどうなるものなのか、考えなさい」
恵土「どう…なるか?」
長老「さよう(頷く)
そうすれば…自ずとなりたい形も見えよう
私の恋人は…戦火に焼かれて死んだ
母もそれを救おうとしてかその直ぐ側の傍らで亡くなっていた
それ以降、私はずっと一人孤独に生きてきた
自分で決めて選んだ道だ
周りからどう見られようが
どう受け取られようが
そう生きると決めた
自分で考え、そう在りたいと願ったからだ」真剣
恵土「………」真っ直ぐ見入る
長老「よいか?
人に決められたものを求められ
どんなに苦しくても、辛くても、それから逃げるな
それを言い訳にして、立ち向かわずして逃げるは臆病者と同じだ!
人には宿命というものがある、そのものにしか果たせぬ役割がある
それを如何に見定め、伸ばし、生き抜くことにこそ意味は生まれるのだ
お前の生きる意味とは…なんだ?
始祖神以外で答えろ!」
