第102章 戦乱(せんらん)
恵土(………来る
かわして、少しでも削る…
多くなくていい…ほんの僅かずつ、詰めてゆく
力の差は歴然
少しでも力の差を埋めるには、削るしか無い(刀で受ける)
ダメージは覚悟の上…←歩が取られる
確実に…戦力を削ぎ、防ぐ術を奪ってゆく)
恵土の目には
長老はデカいヒグマに観えていた
自身は自身でしか観えなかった
剣技も何も使えない
防いでただ削るしか出来ない
無力でちっぽけな自分が…
対局中
水もトイレも小休憩も無く
常に正座したまま、全神経を対局に集中する
神前御前試合(将棋)
恵土「すうっ……
(絶対に勝てない
厚みも違う経験も違う
量も質も段違い
だが……勝つ術が無い訳じゃない
弱音は…万策尽きてからだ!
必ず負ける
わかってる…
でも……逃げたりはしない
じいちゃんに…背を向けたりはしない!
勝てる勝てないじゃない…
必ず勝つ(活)!!」真剣
『6歳が出していい貫禄じゃない…;)!;』ごくり
恵土「はああああああああっ
(窮地を斬れて一流…
師匠(剣豪)…
今…あなたの言葉の意味が、やっとわかった……
死中に活(かつ)!
生の手を打ち…探り…打開し…切り開く……
剣でのやり取りを、駆け引きを、経験を…将棋だけじゃない…これまでの全てを、出し切る!
相手の関節を、連携の繋ぎ目を…断つ(絶つ)!!
話は…全部出し切ってから後だ!!!」
古代ギリシャ時代の前々世
戦国時代の前世
そして今世…
全ての経験を束ね、一つにしようとした結果…
長老「そうか…お前……
(心・技・体が一つになったか…
心は揺らぎ勝ちだったが…
よくぞここまで結び付けた!」すっ!←駒を手に取る
恵土(勝つ!)すっ←駒を手に取る
その凌ぎ合いの結果…
辛勝した
囲碁で言う半目勝ち
かなり際どいものだった
しかし…恵土が長老へ回生の一手を指摘しなければ、それより早く終わっていた
ので…
その日——完成形(大人の姿の恵土)を、長老は垣間見た
たった6歳の童で……
神社の社にて
気絶した恵土を畳へ寝かせ布を掛ける中
恵土「二四歩」むにゃむにゃ
長老「ふっ…
夢の中でも打っているのか」くす
恵土の隣に座る
左足の義足を撫でる
長老「……
まったく…
全てお前の手の上か?
偏屈で気難しい、村で私はそんな評価だったろうに」