第101章 昔話(むかしばなし)
心配でドア付近にいた秀次が咄嗟に恵土を受け止め
東さんが救護班へ連絡を取り出し、蒼也が担架を持ってきていた
4月30日朝まで寝込んだ後…咳喘息がやっと落ち着いてきた
それから…ふらふらになりながら溜まっていた仕事を朝から晩までに終わらせ、5月1日を迎える
犬飼へのケーキを作って、みんなの好きな味付けを選び工夫し
いつものように接し、笑い、楽しく迎えた
だが……
その日の晩…
ボーダー本部基地内を歩いていた折、鳩原とばったり会い…引き留められた
恵土「?どうした?」
鳩原「…………」
真っ青な顔で震えていた
拳を固く握り締めて何か言おうとして言わないでをずっとずっと繰り返していた
5分間ずっとなんにも言わなかった…
でも…必死に何かを伝えようとして、苦しそうに俯いていた
他の隊員も通りがかってきたりで、チラチラとお互いに見合ってもいた
恵土はずっと鳩原を真っ直ぐに見ており、鳩原はずっと周囲を警戒するように見ていた
私の部屋に行くか?と言うと、頭を振られた
全身も強張っていて、息も荒れて…真っ青になっていた
胸の前で手を組んで
当時体調もそんなに良くなくて…
だから恵土から切り上げることにした
またいつ咳喘息が起こるか分からないとも医師から言われてたから…
恵土「鳩原…」
鳩原「?はいっ」震えた声
恵土「大丈夫だ」微笑
鳩原「え?」
恵土「私は…お前が大好きだ
だから…無理に聞こうとは思わない
お前が何に悩んでるのか、わからないけれど…
私は、お前の味方だ…何を敵に回したってな!
言っただろ?お前は東より強くなれるってさ!←左目ウィンク、右拳を胸の前で握ってみせる
だから自信を持て!!
ドーン!とぶつかってけ!!←胸に右拳を当てる
お前達ならきっとA級1位になれる!絶対にな!!^^」
鳩原「………(唖然)
(微笑)
はい…
ありがとうございます^^」涙
恵土「?どうした?大丈夫か?」肩に手を添える
鳩原「いえ…大丈夫です
本当に…
本当に、ありがとうございますっ」震え
恵土「……ああ」微笑
泣き止むまで頭を撫でてから
手を振って別れた
お互い笑って——他にも隊員がいる中で
それが…鳩原との、最後のやり取りだった
恵土が最後と知ったのは…
5月3日昼頃
二宮隊への処分を見た時だった