第101章 昔話(むかしばなし)
太一「じゃあ…火力不足だからとかじゃ?」
恵土「火力があればいいって訳じゃない
諏訪や那須だって火力はあるが、対処を誤らなければやりようはある
一つに尖ったやつだけ集めたら勝てるのかって言われれば違う
バラけさせて各個撃破すればいい話だしな
相手によっては逆にやりやすくなってしまう
だからこそチーム戦術が重要になる
要は…敵に合わせた、処理術だ」
『……』ごくり
恵土「波を打ち消す役割
先回りして潰したり倒す役割
こういう時はこうすりゃいいのかって、私はたくさんメモしてきたんだが…
もう人の数だけ違うから、もう諦めた
膨大過ぎて大変なことになったしな;」
『なるほど…』
太一「要するにチョキやパーを出せるようになれってことですか?」
恵土「ううううん
そこは違う」
『え!?』
恵土「簡潔に言うと…チーム戦術としてはもう既に完成の域にある
だからこそ今助言してるんだが…
お前らはもう土台も下地もチームとしてがっしり完成してる、噛み合ってる
問題なのは…重過ぎて小回りが効きづらい点にある」
ぴー!
今「あ、やかん!」
太一「取ってきます!」
鋼「つまり…
今はもう削り出しの段階にあるということですか?」
恵土「ああ(こっくり)
荒波に対して、身軽に動けるように←サーフィンのように描く
そこに乗って強い攻撃をぶちかませるようにってのが課題か…
敵に向けて動くにしても、重いと対応が遅れやすい
そこを突かれて崩れる面が多かった、この前の戦いもな」
来馬「そうか…だから」
恵土「場の流れに乗り損なって、乗ろうとした時には既に過ぎてて、乗り損ねた感じだな
対応こそ出来て沈みこそしなかったが…それだけだ
決定力がねえ
敗因は鋼への依存じゃない
エースに得点を依存してるチームは案外多いからな
エースを封殺されようが活かし切る戦術が肝心なんだ」
『なるほど…』
太一「お茶持ってきました
あ!」こけ
恵土「…
まあ要するに」
しゅぱぱぱぱぱ
ひっくり返りつつある湯呑みと中身を、全て手で空中で掴んだ湯呑み5個で均等に取りお茶を並べる
5人分の湯飲みを机の上に置いたタイミングでお盆が床に落ちた
恵土「済まん
お盆までは手が回らなかった」
『おおー!!』拍手喝采
ほんの僅か一瞬での出来事で、かなりの速さの動きだった
しかも生身だとその時に知った
