第101章 昔話(むかしばなし)
一睡もしないで
横にもならないで
車椅子に座ったまま
ずううっとずううううっと
光も反射しない暗い目で
ずっと目を開けたまま
虚空を見つめていて
何を話し掛けても応答も反応もしなかったんだ
トイレだけは行けてたけれど
そこだけは迷惑掛けたくなかったのかな
それで……
ずっと…飲まず食わず寝ずで
一旦秀次の家に帰っていたから気付かなかったんだけれど…
遠征艇での帰還から…
ずっとずっと…泣いて、泣いて、泣き続けて…
で…何も飲まず、食べず、横にもならないで
無理に食べてももどしちゃって…
治療の為に手術を受けたけれど入院無しの軽いものだった
傷自体は塞がってて、麻痺になったのは神経の問題だって
そこだけ矯正してもらって…それだけ
全部の葬儀が終わった後…
白帝もトリガーも起動できなくなっていた
だから治療を受けた
もう…その時点で、遠征艇で帰還してから4日は経ってた
そこから、3日間…ずっと続いていた
本人が、ボーダー基地で過ごしたいって言うから
秀次達は、こちらに送り出してくれていた
それで…小南先輩がずっと付き添ってくれてたんだけど
全く…食べなかったんだ、動かなかった、飲まなかった…眠りもしなかった
ほんの一瞬さえも……
ずっとずっとずっと……ずうっとさ……
桐山さんも忍田さんも仕事で城戸さんは入院中
ゆりさんは家のゴタゴタで来れない
レイジさんはどんな顔して会ったらいいかわからないって、塞ぎ込んじゃってて
小南先輩しかいなかったんだけどわざわざ休んでまでずっと寄り添ってくれてたんだよね
生駒「そうだったんか!!」
小南「そうよ!」
迅「なんの反応が無くっても…
必死に動いてくれて……
俺は俺で…
最上さんのそれをどうするかで、林藤さんに聞いたのが…
トリガーを起動できなくて、白帝もトリガーも恵土先輩が林藤さんへ預けた後のことだった
どうしたらいいように転ぶのか、あれこれ動いたんだけど…
どれもうまくはまらなくって…
そこで…秀次が学校の終わりが早い日で即来てくれていて…
それで…あまりの憔悴具合に…
何をやったんだ!!?って叫んでいて
秀次「姉ちゃん!!?
姉ちゃん!!!
姉ちゃん!!!!?」
そう必死に肩を揺さぶってから…
反応が全く無いのを確認してから…
秀次は、恵土先輩の頬に両手を当てて唇を奪った
