第101章 昔話(むかしばなし)
必死に抑え込んでな
本当の奥の手なんだ
メデューサ相手の時は全力のそれをぶつけた方が早いと思ってやったんだけども通用しなかったしなあ
流石に生きてない幽体にゃ無理か
最終的には光と一体化して光速で動けるようになってた
トリオン体だから出来ることでな
トリオンを元に事象へ変換するから」
『なるほど』
恵土が引き取られる(ボーダーの家を出る)当日
12年前…3月25日朝
玄関の式台に座り
緊張している(震えている)様子のそれに…
最上「恵土…」
恵土「!
最上、さん…」
最上「……大丈夫だ(微笑)
お前の家は変わらずここだ
不安になれば、帰ってくればいい
家が増えるだけだ
どちらに帰りたいかは、お前が決めればいい
^^
いつでも待ってる」微笑
笑って頭を撫でるそれに
恵土は嗚咽をあげ、抱き締めながら咽び泣いた
ずっとずっと…支え続けてくれた
同じ境遇だった
両親に先立たれて、天涯孤独になって
大変苦労したことを
私が8歳の頃、過去を見たからと教えてくれた
同じ境遇なのだと知って安心した
だから頼った、打ち明けた
だから………
5年前、喪った後…
何も喉を通らず、無理にすれば吐く中で
ボーダー(おじさん)の家に帰りたいと零した
そして……探していた
最上「ずっと、待ってる
お前が帰りたいなら、いつでも来い^^」
ずっとずっと…探していた
言ってくれた人は…どこにもいなかった
ずっと泣いた
泣いて、泣いて、泣き続けて
声も嗄れて、涙も出なくなって…
やっと、動かなくなった
秀次がキスをしてくれて…
やっと、現実に戻ってこれた
ああ——いないんだって
泥のように眠った後で
最上「子供のお前だから…きっと響くものがある
大丈夫…
お前の想いは、きっと届く」
恵土「もがみ…さん」
最上「大丈夫だ^^
自信を持て
お前の心で、言葉で…伝えていけばいい
どうしたいか、何を望むのか…
お前の声で——」
赤影は…最上さんがいなければ…絶対に、現実にはならなかった
秀次や進と並ぶぐらい、一番死んで欲しくない人だった
二宮「秀次…大丈夫か」
秀次「…大丈夫です」
二宮からの言葉に、すぐ秀次は答えた
全く持って平気そうな声で、表情で…
全て、知っていたから……
あの人から聞いて…