第93章 深淵(しんえん)
右往左往させてしまうことを申し訳無いと感じていた
それも…自分の諸事情で…
しかし…それらは不手際で生じたものであり、お互い互いにほんのちょっと行き違い、足りなさがあったが故に生じたもので……
申し訳無いとか、恥じることとか、元来ならば全く無い訳で…無いはずのもので……だからこそ、気に病むなと何度も言った
しかし――それでも…大事だから、気にしてしまうそうだ
ケイト「私に向ける分…自分を大事にすることに使って欲しい
幸せでいて欲しい」
その一点縛りで……
聞く耳は持てど、その軸は変わってはくれなかった
「僕達の幸せは、君の幸せだよ」と言おうとも…
「好きだから…幸せでいて欲しい」と泣き崩れる有様で……←瞑目しその場に縋るように僕の袖に手を添え顔をうつ伏せに布団へ倒れ伏してゆく
自重して欲しい気持ちに苛まれながらも…
君が幸せでいてくれないと僕等も幸せになれないんだがと伝えると
やだやだやだやだ
大の字でバタバタとその場で両手足を広げて暴れ、駄々をこね出す有様で…;
いつまで経っても繋げられないんだよなあ…弱ったなあ
う~ん…^^;
どうあっても譲らないそれに…想いを同じくして、そう温かい目で見守る中
ティオナ「ケイトの幸せは、みんなの幸せ
なのに、みんなの幸せは、ケイトの幸せ
それに繋げることが出来ないってこと?」
フィン「過去の習慣だよ
悪習とも言ってもいい
…ずっと……そんな環境の中で、過酷な日々の中で…ずっと過ごしてきたからね」
ティオナ「でもお母さん相手にはできてたんでしょ?
お姉ちゃん相手にも」
フィン「そればかりは過去の話だ
そう割り切れるものでも無い
酷い人達に、何より酷い目に遭い過ぎた
それから守る為に、自らにそう求めるぐらいには…ね
自分はみんなの幸せの邪魔なんだ
そう思うことで、みんなから扱われることに耐えてきたんだ
そう簡単に変えられるものじゃない」瞑目し、暗い表情で頭を振る
それにケイトはその理解を喜んでか、益々布団の上で泣き崩れてゆき
僕の膝の上に抱き着くようにし、頭を擦り付けた
よしよし
そうケイトへ頭を撫でて返す中
フィン「少しずつでも…前には進めてはいるのだけれどね
少なくとも、僕達はそういう人ではないと認識出来るぐらいには…
もう少し、という所かな?^^;」苦笑
