第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)
鉄を打つ横で、酒を呑みながらもしっかりと指示を出してくれていた
フォボス「あんたの魂は底無しさ//ひっく
心が強い←双眸を真っ直ぐ貫くような眼光で見据える
逃げずに背負い、死ぬ最期の瞬間まで投げ出さない強さが――己が身を救い、人を助け、皆を導くだろう
王たる本懐さね
ひっひっひっひっ!
本物には、本物のやり方を教えてやる
槌を取りな!!」
ケイト「はい!!」真剣な表情で槌を取り火に向かう
フォボス「いくよ――
骨の髄まで叩き込んでやる!!」
ケイト「はい!!
よろしくお願い致します!!」頭を下げる
フォボス「腕がヌルい!!
ケイト「はい!!」
フォボス「脇が甘い!!
ケイト「はい!!」
フォボス「こりゃ土塊(つちくれ)かあ!!?
やり直し!!
ケイト「はい!!!」
そして…7歳の時点で、鍛冶のいろはに基礎と応用を完璧に身に付けて修め
ヴェルフィンと出会う頃には……
すっかり一人前の鍛冶師になっていたのですが……
ヴェルフィンは中々槌を握らせてはくれず
実際に使う側に立って、いいもの(武器)を考える期間ということで説き伏せ、今に至る――
いいものを作るには、いいものを覚える必要がある、と――
そして……
何でも扱えるようになり
神器が水そのもの、球体となって何にでもなれる武器兼防具となった
武器であれ防具であれ本懐(求められる本質)は同じだと――
その言葉に嘘は無かった――――
その結果が『今』である
打てば響く――
そんな言葉よろしく…
期待と共に込められた叱責に応え
思ったものが完璧に作れるようになっていた――
だからこそ…鍛冶アビリティが芽生えた際それだけで、神秘と合わさっただけで、オリハルコンを打って『神剣』を容易く作ることが出来ていた……
のに…何故教えてくれなかったんだ;(苦言)
ケイト「だって癌クロッゾが仇返しクソ野郎だって自覚したくなかったんだもの(ぶつぶつ)
むー!」ふいっ!←頬を膨らませて顔を横に逸らす
命を捨てる覚悟だということ――
その為なら二度と来れなくてもいい
そう自ら言っていたこと…その可能性は既に示唆されていた
だからこそ…フォボスは、ケイトの隣に居れる期間に己の持つ全てを賭け、費やした――己の全てをここに置いてきたと、そう…ケイトへ、最期に遺す為に―――
