第74章 融和
フィン「ケイト…一つ挟ませてもらうけれど、集団心理というものもあるのだと思うよ?」
ケイト「集団心理?」
フィン「ああ、そうだ…
ベル・クラネル個人が善人だと主張する人が多いあまり、
彼自身善意で優しさを振り撒く気質から、そう誤解を招くことへ至っている
事実、彼が騒動を起こすのはいつだって人の為だ。君と同じなんだよ」
ケイト「同じにすんな
あんな無責任クズ野郎と」睨視
フィン「はははっ^^
そこは本気でそう思うよ
あ、ケイト、かかってる」
ケイト「!ありがと!」ぐいっ
一瞬で釣り上げてみせたケイトに、僕は微笑み掛けながら言葉を続けようとした
ケイト「やった!^^♪」
フィン「よかったね^^」くす
笑みが思わず零れる中、そっと触れないように気遣いながらバケツへ入れた
魚に触れない理由を尋ねると、魚にとっては焼き鏝だろうから、と、
先程とは打って変わって、穏やかに笑みを浮かべて優しく接していた。
そういう細やかな愛情が欠けているんだ、癌は…
見ていて何度も思った…
フィン「君と違う点だが…
ベル・クラネルは自分がよかったらいい、それだけだ
自身から見たそれをそのまま受け止めるだけなんだ
思考、思慮が足りていないんだよ。欠陥的に、欠落的に」
ケイト「欠陥的に…」う~ん
フィン「もっと言うと…
それによる弊害を考えていないんだ
自分がそう行動することで、どれだけの人が振り回されるか…浅慮とも言える
そして…その弊害の罪と責任は、それを生み出した根源たる本人だけのものだ
つまり、罪も責任もベル・クラネル個人にあると言っていい
だが本人は意に介さず、罪も責任も取らず、
人や事情に着せることで、仕方なかったと押し付けて回っている
そこが一番の大罪なのだと思うよ?」
ケイト「ああ、なるほど。自覚がなくて善とするから」
フィン「そう、より罪深さが増す」
ケイト「あ!かかってる!フィンの!」
フィン「ああ」ぐいっ
バシャバシャ
フィン「彼は…守るという行動を、意味を履き違えて、
罪を犯す仲間の愚行を止めず、守るという行動に囚われて、仲間の罪を重くして双方の立場を悪くしただけ←2866ページ参照
だからそんな結末に至ってしまったのだと思うよ
偶発的ではあるけれど…どんな可能性でも必ず癌に辿り着く、それが癌だ」