第51章 身勝手な優しさ
「…………みんな……ごめんなさい。一応、ただいま。
でもごめん、まだ帰れないんだ。あと、私影分身ね。
今日は、お願いがあって来たの。」
ルナの影分身がサソリの方をチラリと見ながら言った。
そのサソリは、李蘭達の態度からおおよそのことを察したのか、はたまた何も思っていないのか、動揺した素振りも見せなかった。
ただ、一つ感じたのは…………ここにいる五人全員、余程ルナが好きらしいという、
ルナの平生からの優しさに対する、納得めいた感情だった。
愛されているから、人に分け与えることができるのだ、と。
勿論、ルナが他人を愛すからこそ、皆いつの間にかルナを好きになってしまっているということも、わかっていたが。
「こちら、砂隠れのサソリさん。暁の一員…………だったけど、さっき抜けてもらったの。
で、お願いっていうのは…………」
ルナの影分身が多少言いにくそうに申し出る。
今になって、事前に言っておいたほうがよかったかなぁとも思ったが、それはそれで不自然だなと思い直した。
「……わかっています。サソリさんを、里の一員に迎えればよろしいのでしょう?
お安い御用です。ルナ様のご命令ならば。」
李蘭はサソリの姿を見たときから、そんなことを言われそうな気がしていたので、しっかりと請け負った。
訊きたいことは山ほどあるが、問い詰めてもますます言ってもらいにくくなるだけだとわかっていたので、
ルナの真意を理解し、説得の目処がたつまでは、極力木ノ葉で聞いたことや過去から得られた情報の話はしないことにした。
那由他が見終わったのは、丁度、ルナが波の国から帰ったところまで。
ルナの真意までは、まだまだ遠かった。
「よかった。でも、うん、李蘭ならいいって言ってくれると思ってた。
他の皆さんも、よろしいですか?」
李蘭が嫌そうな顔をしていないことに、ルナがホッと安心した顔になり、続いて、他の四人にも確認した。
「……ああ。構わないよ。」
「俺は別に。」
「俺もだな。」
「僕もです。」
シスイ、那由他、再不斬、白は、異口同音に賛成した。