第51章 身勝手な優しさ
その何時間か前。
サソリとルナの影分身は、神隠れの門の前に立っていた。
「…………ここが、お前の故郷、神隠れか……」
「……はい。そうだ、サソリさん、その胸の核を見せてもらっていいですか?
この里に入るには、必要なことなんです。」
「わかった。」
サソリは素直にマントの前をはだけて、『蠍』と書いてある自らの核を見せた。
「命遁・限定解錠。」
ルナの影分身が蠍の核に手を当てて呟くと、例によって例の如く、そこには丸く複雑な徽章が刻まれた。
「……これで大丈夫です。行きましょうか。」
「ああ。」
ニッコリと笑うルナの影分身に、サソリは静かに返事をし、二人は神隠れに入った。
「命令撤回!李蘭、那由他、いるなら出て来…………」
「ルナ様!」
「ルナ!」
「ルナちゃん!」
ルナの影分身が挨拶を言い終わらないうちに、全員が現れ、駆け寄って来た。
「ルナ様、よくお帰りになってくださいました。この李蘭、お待ちしておりました。」
李蘭がルナの影分身に向かって、礼儀正しく一礼する。
しかしその表情からは、抑えきれない喜びが滲み出ていた。
「ルナ、お帰り。ツイてるな。俺が丁度出て来たところで。」
過去を見ていた那由他は、少々凝ってしまった肩をさすりながら、ルナの影分身に笑いかける。
「……ルナ、無事で本当に良かった。」
シスイは寂しかったなどと言いたいのを堪えて、ルナの影分身に優しく笑いかけた。
「やっとお帰りか……待ちくたびれたぜ……ったく。」
再不斬がハァと溜息を吐いて、ルナの影分身から目を逸らした。
「ルナちゃん…………よかったぁ……」
二年半前より少し身長が伸び、より凛々しく成長した白も、涙ぐんで喜んでいた。