第51章 身勝手な優しさ
「……ルナ、もう大丈夫なのか……?」
二人でルナのベッドに座って、君麻呂が訊いた。
「……はい。一応は。ご心配おかけしました。
あの……でも…………」
ルナが言いにくそうに指を弄る。
「…………いいよ。言わなくて。」
君麻呂がそう言って電気を暗くし、ルナを抱き締め、押し倒す。
ルナは目を閉じて君麻呂を感じ、自分の負の感情から一時的に逃れた。
辛い。悲しい。苦しい。
ルナの心の中で巡り続ける感情が冷めるまで、君麻呂はルナを抱いていた。
やがて、ルナの心は、冬の湖面のように静まり返り、それにつられるように、意識も薄れていった。
ルナが眠ってしまったことを確認すると、君麻呂はルナと一緒に毛布を被り、その矮躯を包み込んだまま眠りについた。
少女の夢も心も、全て守りたいと願いながら。
君麻呂はまだ決断できていない。
ルナと大蛇丸、どちらかを選ばねばならない日が、迫って来ているというのに。