第51章 身勝手な優しさ
「ハァ……」
大蛇丸のアジトの自分の部屋に帰って、ルナは小さく溜息を吐いた。
久しぶりに木ノ葉の連中に会えたことは嬉しかったが、同時にルナの中の寂寥感を強めてもいた。
(サスケもナルトもサクラも、大きくなってたな……顔つきも大分、逞しくなって…………
……なのに、私は…………二年前の、あのときのままだ…………人に頼ることでしか生きていけなくて……
……ダメダメで、弱くて…………)
ルナがベッドに横たわって、暗い考えに取り憑かれそうになっていると、ドアを叩く音がした。
「ルナ?そろそろ夕食の準備を始めよう。おいで。」
「君麻呂さん…………はい、ちょっと、待って下さい。」
ルナはそう言って手早くボロボロの白い着物を脱ぐと、それを隠し、白い下着とワンピースを着てドアを開けた。
「お待たせしました。行きましょうか。」
「……待って、ルナ。どうしたんだい?」
君麻呂がルナの顔を凝視し、問いただす。
「え?どうかしましたか?」
焦ったルナが、誤魔化しの笑みを浮かべる。
「だって……ほら。」
君麻呂はそう言うと、ルナの目元を拭った。
指の上には、キラキラと輝くルナの涙が、表面張力で半球状になっていた。
「あ……うっ……」
自分が泣いているのに始めて気がつき、ルナの薄い青が大きく揺れる。
その辛そうな顔を見ていられなくて、君麻呂はルナをきつく抱きしめ、背中をさすった。
「ルナ……ルナ…………大丈夫、泣かないで…………」
「はい……ありがとう、ございます、君麻呂さん…………」
ルナがそのまま、君麻呂の胸の中で小さく啜り泣く。
胸を抉るか細い嘆きを、君麻呂はただ、受け止めた。
君麻呂とルナは、その後滞りなく夕食を作ってアジトのメンバーに振る舞い、後片付けを済ませた。
そして、入浴を済ませ、さあ寝ようと思ったとき、自然と、互いの部屋に足が向いていた。
「あ、君麻呂さん……」
「ルナ……」
廊下の真ん中でバッタリと出くわして、ルナと君麻呂は沈黙した。
「……私の部屋、来ますか?」
「……うん。」
そのまま、二人はルナの部屋へ向かった。