第51章 身勝手な優しさ
「え?これ、サソリ先輩の指輪じゃないっすか!まさか、サソリ先輩……」
オビトがそう言ったとき、洞窟内にデイダラが入って来た。
「あ、トビ!ゼツも!」
そして、粘土の鳥から降りると、パタパタとルナのそばに駆け寄って来た。
ルナは、ついに言うときが来たと思って、ゆっくりと唇を開いた。
「…………デイダラさん、トビさん、ゼツさん、報告があります。
……………サソリさんが、亡くなりました。」
「え……」
「ええー!」
「……」
デイダラはやはり驚いたのか、小さく声を漏らして固まり、トビは大袈裟に驚いたフリをし、ゼツはノーリアクションだった。
「……そうか。サソリの旦那が小娘とババアに負けるとはな……まあな、大体弱点丸出しなんだよあの造形は。うん。
胸にあんなデッカイ弱点付けてたし……」
デイダラはかつて見たサソリの本体を思い出して、ハァと溜息を吐いた。
「……私、加勢しようかと思ったんです、でも、サソリさんがいらないって……そうしたら……」
ルナが下を向き、呟く。
嘘をついているのがバレないように。
「いーんだよ、ルナ。お前のせいじゃない。気にすんなって。」
デイダラはルナの白い頭を優しく撫でて、慰めた。
「っ…………ありがとうございます。それで……あの、サソリさんの指輪。トビさんに渡しておきました。
じゃ、私はこれで。マント、ありがとうございました。」
ルナはそう言ってサッと地面から浮き上がると、マントを脱いでデイダラに返した。
「え⁈ルナ、帰ってくるんじゃ…………」
「……ごめんなさい。今はまだ、無理なんです。イタチ兄さんにもそう言っておいて下さい。
それでは。」
ルナはそう言うと、飛雷神で大蛇丸のアジトに帰った。
「……うーん、行っちまったか、うん。
そういや、ルナは何の目的で来たのか、やっぱわかんねーな、うん。まあいいけど。」
そう呟いた、どこか寂しそうなデイダラの背中を、オビトとゼツはジーッと見ていた。