第51章 身勝手な優しさ
それから、サソリと住人達の自己紹介が行われ、サソリがあの、赤砂のサソリであることが明らかになったが、
それはそれほど驚かれていなかった。
ルナが気に入ったと言って連れてくるのが、S級犯罪者の抜け忍というのは、既に前例があるからだ。
サソリの方も、ここにいるのが木ノ葉で死んだことになっているうちはシスイと、霧隠れの抜け忍の桃地再不斬だと気がついたようで、
ルナがなんの躊躇いもなく自分を匿ったことに合点がいっていた。
抜け忍でもS級犯罪者でも、気に入ったものは徹底的に守る。
だから、どこか一つの集団だけに過度に肩入れしたり、また攻撃し過ぎたりもしないのだと。
それがルナのやり方であり、それこそがルナのポリシーなのだと。
そして、あれだけの戦闘能力を持ちながら、暁と木ノ葉の中立でいられた理由でもあると。
サソリは、ルナの言っていた、『我儘』の意味を理解して、フッと笑った。
確かに、自分が好きだからという理由で、S級犯罪者を助けてしまうのは、神隠れ以外の里にはいい迷惑だろう。
だが…………その我儘を愛しいと思ってしまう自分がいるのも、事実だった。
ついで、ルナの言っていた、"生きている永遠"がなんなのかも、理解した。
李蘭と那由他。
この二人が、ルナの言う永遠だろう。
(…………フン。俺らしくもねぇ。だが…………)
この里には、他のどこにもないものが大量にある。
そんな気がして、サソリも僅かに、希望を持ち始めていた。
(………………コレクションは二百九十八体で終わりみたいだな。)
目の前の錚々たる面々を見渡して、サソリはひっそりと思った。