第51章 身勝手な優しさ
「うあっ…………久しぶりー、ナルト君、サスケ、カカシさんも…………苛烈な歓迎をどうも…………」
両脚と胴体の一部を失くしたルナが、三人に弱々しい微笑みを向ける。
かつて脚がついていたところからは、血が湧き水のようにボタボタと垂れ、遥か下の地面を緋色に彩っていた。
本気になれば避けることもできたが、まあこれも再生力をアピールするいい機会かと思って神威を食らったが、
今は内心、内臓がはみ出ないか気が気でなかった。
まあ確かにな、そんなガチなグロはやりたくねぇわな。
「あー…………超痛い…………まあいいや。
デイダラさん、我愛羅下さい。」
「えっ⁈でも、お前っ!」
デイダラがルナの下半身があったところを指差し、口をパクパクさせる。
「…………大丈夫ですから。いただきますね。」
ルナはそう言うと、粘土の鳥の頭を引き千切って神通眼の念動力で持ち上げ、ナルト達のところへ降りていった。
デイダラは訳もわからず、その背中を見送ってしまった。
「…………ナルト君、はい、我愛羅。」
ルナはナルトの前まで行くと、地面に粘土の鳥の頭を置いた。
「ね、姉ちゃん…………そのケガ……!」
青い顔をしているルナと粘土の鳥の頭を交互に見て、ナルトが狼狽えたような顔をする。
「私は平気。それより、我愛羅を見てあげて。」
ルナはそう言って、白い繭にも見えるそれを指差した。
「…………わかったってばよ!」
ナルトがそう言って粘土に手を突っ込んで破り、中から我愛羅を引っ張り出した。
我愛羅は全身が埃だらけでぐったりしていたが、命に別条は無かった。
「我愛羅っ…………よかった、息してるってばよ!」
「そう…………良かった。」
ルナはそう言うと、右手人差し指の先に小さな雷を発生させ、うまいこと粘土の鳥の頭に落とした。
起爆粘土を無効化するためだ。
続いて、待機させていた、迷彩隠れを使って気配を消していた影分身が我愛羅に近づいて、例の指輪を回収した。
これで、ルナの今回の仕事は、大方完了だ。