第51章 身勝手な優しさ
その少し前。
カカシ、サスケ、ナルトの三人は、我愛羅を取り返すべく、粘土の鳥に乗って飛んでいるデイダラを追いかけているところだった。
「カカシ先生、まだかよ⁈」
先ほどからずっとジッとしているカカシを振り返って、ナルトが訊く。
「…………カカシ、本当に使えんのか、それ。」
サスケはカカシの指示通りに待機しながらも、少しイライラしているようだった。
「…………ああ。準備はできた。行くぞ、サスケ、ナルト!」
カカシが神威を発動させるべく、デイダラのいる空間に目を凝らして数秒。
突然ルナが現れ、神威の範囲に飛び込んできたのだった。
(あれは…………ルナ⁈マズイ、もう…………)
カカシがルナの存在に気がついたときには既に遅く、ピントを合わせていた点を中心に、ルナの身体は消し飛ばされた。
着物共々、ルナの下半身が綺麗になくなり、ルナの白い身体から、目が醒めるような赤が溢れ出す。
「ああああああああっ…………」
痛みを完全には堪えられず、ルナは押し殺した呻き声を漏らした。
本当は、二年前のように、笑顔を張り付けたままサスケ達と話したかったが、今回はそう上手くはいかなかった。
何しろ、大幅な欠損だ。いくら治せるとはいっても、そのショック、心理的ダメージは相当のもの。気絶してもおかしくはない。
でもルナは、意識を保ち続けた。
これからの茶番は、計画に必要なものだと信じて。
身体から急速に血が抜けていくのを感じて、ルナは造血機能を活発化させつつ、止血と再生を開始した。
「なっ…………ルナ姉ちゃん⁈」
「ルナだと⁈」
ルナの登場に、ナルトとサスケがそれぞれ驚く。