第51章 身勝手な優しさ
「…………さっきまでの戦闘は、サソリを説得するための茶番というわけか…………
ワシらは結局、ルナの掌で転がされていたんじゃな…………」
そう呟くチヨバアは、そう残念そうでもなかった。
ルナの言葉を聞いて、内心ではルナに、サソリの祖母として、僅かながら希望を抱いてすらいた。
(うちはルナ…………あの子は多分、元はいい子なんじゃろう。
能力を買われて、利用されただけで…………
…………あの子ならば、サソリを救ってやれるかもしれん。)
ルナがビンゴブックに載っているS級犯罪者なのも忘れるほど、さっき感じたルナの感情は、温かく、優しかったから。
それに、サソリがルナの影分身と共に消える前の一瞬。
サソリがチヨバアに向けた視線は、傀儡だからさっきと何も変わらないはずなのに、なぜか、幼い頃の無垢なサソリを彷彿とさせたのだ。
「…………さて。サクラ。ワシらも向かうぞ、我愛羅のところへ。
このぶんだと本当に、ルナがどうにかしちまってるかもしれんがな。」
「そうですね……………行きましょう、チヨバア様。」
チヨバアとサクラは洞窟から出て、ナルト達を目指した。
(あ、デイダラさんいた!……って、ヤバッ!)
ルナがデイダラを発見したそのとき、カカシがデイダラを神威で消そうとしているところだった。
ルナはそれを防ぐべく、姿を現し、デイダラの粘土の鳥に体当たりした。
「うおっ、ルナ⁉︎いきなりなにす…………」
「デイダラさん、離れて!」
ルナが風遁で起こした突風を指先に纏わせ、粘土の鳥に向かって放つ。
粘土の鳥は風圧に負けて、10mほど横に飛ばされた。
そのときだった。
ルナの、腰から下が消えたのは。