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神隠れの少女【NARUTO】

第51章 身勝手な優しさ


一頻り黙った後、サソリが口を開いた。

「……フン。女ってのは、無駄なことを考えるのが好きだなぁ…………」

口をついて出てきたのは、拒絶と取られかねない台詞。

しかし、その心の内は、揺れていた。

「父」と「母」の攻撃を躱せなかったのは事実。

ならば、ルナの言う通りなのかもしれない。

自分にはまだ、心が残っていたのだろうか?

人でも傀儡でもない今から抜け出して、人間になることができるのだろうか?

それに、ルナの言う、"永遠"も気にかかった。

生きている永遠…………そんなものがあるのか、と。

ただ、それは自分への建前だった。

認めたくなかった。

自分の気持ちが、小娘一人如きに易々と変えられてしまったなんて。

…………ルナと触れ合うことでいつも、失った何かを掴み取れそうな気がしていたなんて。


「‼︎そんな……」

サソリの言葉に、ルナの表情が絶望に染まる。

瞳にはみるみるうちに涙が溜まり、ポロポロと溢れて、白い頬を滑り落ちていった。

ルナが涙を見せまいと、目を乱暴に擦ろうとしたとき、頰に冷たいものを感じた。

目を開けるとそこにはなんと、ルナの涙を優しく拭っているサソリがいたのだった。


「え……サソリ、さ…………」

「……そんな風に擦るな。折角の綺麗な目が台無しだ。」

「だって……サソリさんが…………無駄だって…………」

ルナがサソリを見上げ、言い訳のように呟く。

「…………悪かった。そんなこと思っちゃいねぇよ。

ま、俺なんかのためにそんな必死になるお前は、相当なバカではあるだろうがな。」

「うぅ……バカでもいいです…………だから…………」

「…………わかったわかった……もう、やめにする。だから、泣くな。」

「……はいっ……ありがとう、ございます……よかった…………」

ルナがサソリの核に額をつけて、安堵の溜息を吐く。

サソリはルナの頭を撫で、背中に腕を回して、ぎこちなく抱き締めた。

あり得ないと思っていたその光景を目の当たりにして、チヨバアとサクラは瞬きも忘れて驚いていた。
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