第51章 身勝手な優しさ
「……うちはルナは、罪状が不明確にも関わらずS級犯罪者に指定されておる…………故に、各国の隠れ里から注目を浴びてな。
木ノ葉に来て以降の経歴や大雑把な素性などは、かなり知れ渡っておるのよ。
それにな…………サクラ、聞いたことはないか?ルナの通り名を。」
「お姉様の通り名…………はい、一度だけ。」
サクラはルナの二度目の里抜けのときのことを思い出して、しっかりと頷いた。
「流石に知っておったか……あれが広まったのは、もう十年も前のことじゃ…………
……当時七歳のルナは、暗部入りして間も無く特別分隊隊長に任命された。
その任務内容は、他国の部隊や抜け忍を含めた、忍者集団の殲滅。
それを、たった一人でじゃ。
ルナが暗部として活動していた期間は一年もないハズじゃが、殺した人数は並の上忍を超えている。
………………ルナは死の天使と謳われ、殺戮兵器になり切った。
そんなルナが死んだと聞いて、所詮その程度のガキかと思ったのもつかの間…………
ルナが生きていたとわかって、砂でもルナを洗ったのじゃよ。」
チヨバアはそこまで言って、言葉を切った。
「……結果は、嘘か真かわからないことばかり。ルナの故郷だという神隠れについては、おとぎ話のようなことしかわからなかった。
一度中に入った人間は例えチャクラを持たない一般人であろうと里を出ることが許されず、その中で一生を送ったというのだから……
しかもその戒律は、千年以上前には既にあったらしい。
里の秘密を守るためなのか、何か別の理由があるのか…………本当のところはわからんが。
わかったのは、その神隠れが十五年ほど前に滅びたこと、ルナはその生き残りで、特異な能力を持っていること……それぐらいじゃ。」
チヨバアはそう言い切ると、見えもしないルナを威嚇するように、虚空を睨んだ。