第51章 身勝手な優しさ
「な、何を…………」
欣喜雀躍が消えた胸を押さえ、チヨバアがルナを睨みつける。
ルナは涼やかな視線でそれを受け流し、優美な微笑を浮かべた。
「……ふふっ、少し、小細工をさせていただきました。ほんの好意だと思って、お受け取り下さい。
これで、互角の戦いができるでしょう。
さあ!始めて下さい!」
ルナはそう言うと、迷彩隠れで姿を消した。
「な……消えたっ⁈」
チヨバアが目をかっ開き、呟く。
「…………フン。チヨバアよぉ、ルナをナメすぎだぜ。ありゃタダの迷彩隠れの術だ。
アイツぁあれを七歳のときに既に使えていた…………
………………イヤ、イタチのナシじゃ、二歳のときには既に使えたらしいな。
超高等に分類されてる忍術をホイホイ使いやがる…………体術、幻術もな。全く、末恐ろしいヤツだ。」
(ルナの小細工…………受けて立とうじゃねえか。
ヘッ、面白くなってきやがった。)
サソリがヒルコの中から馬鹿にしたように言う。
「うちはルナ…………アカデミー卒業は三歳で、中忍昇格は六歳、暗部入りは七歳と聞いていたが……まさかそれほどとは……」
そう呟いたチヨバアのこめかみに、一筋の汗が流れる。
敵か味方かもわからないルナの実力を思い知って、内心では焦っていた。
「えっ?チヨバア様、なんでそんなにお姉様のこと…………」
ルナのことにいやに詳しいチヨバアに、サクラが違和感を覚える。
「……サクラ。お前ビンゴブックは見とるか?」
「え?ええ、まあ……たまに、ですけど…………」
サクラが、それとなんの関係が、とでも言いたげに返す。