第51章 身勝手な優しさ
「バカな…………尾獣を抜かれた人中力は…………」
チヨバアが即座に口を開き、ルナに反論する。
「あははは、だから大丈夫なんですってば。カンクロウさんの件もそうですけど、私も舐められたものですねぇ。
あ、そういえばカンクロウさん、大丈夫ですか?ちょっとやりすぎたかなって、心配になってたんですけど。
まあ、いいや。精々、全身骨折ぐらいでしょうから。」
ルナがそう言ってクスクスと笑い、バッと腕を広げた。
「…………さて!お喋りはこのくらいで十分でしょう!んで、どうしましょうか?
私は様子見に来ただけなんで、戦う気はあんまりないんですが…………
…………どうしてもって仰るなら、加勢しますが?」
ルナはそう言ってサソリに微笑んだ。
サソリはそれを聞いて、不機嫌そうにヒルコの尻尾を振った。
「…………フン。老いぼれと小娘程度、お前の助けなんざ無くとも倒せる。そこで黙って見てろ。」
「うーん、そうですかぁ。じゃあ、サクラちゃんは?」
「えっ?」
自分も訊かれるとは思っていなかったサクラは、面食らったような声を出した。
「…………要らぬ。あやつを倒すのは、このワシじゃ。」
チヨバアがサクラより先に答える。
「ふ〜んそうですかー…………んじゃ、私はここで、見学と洒落込み…………って、それじゃダメダメ。
やっぱり、ほんのちょっとだけ干渉させていただきます。」
ルナが印を結ぶと、掌の上に液体のような薄紫色のチャクラが噴き出し、ぷるぷると波打つ。
直後、それらは二匹の小鳥の形を成した。
「行け、欣喜雀躍。サクラちゃんとチヨバアさんのところへ。」
ルナがそう言うと同時に、チャクラでできたそれらは神速で飛び立ち、サクラとチヨバアの胸の中に消えた。