第66章 千年血戦篇弍
氷月の言葉に私は頭を回転させた。
「あんたには俺の技の仕組みは教えないぜ。気づかれると厄介だからな。」
「……何かしらの形で、氷月の技への対処法を済ませた。弓矢を使えてるということは種子の方も無効化されてるようですね。貴方は技などを無効化する能力を持つと考えても良さそうです。」
「当たらずも遠からずって所だな。どうする?この辺にして置いた方がいいんじゃないか?」
「あなたみたいな強い人を野放しにできるわけないじゃないですか。」
とはいえ、彼の挑発に乗る訳にはいかなくなった。できる限り斬撃と鬼道で戦う必要がありそうだ。
「五柱鉄貫!」
彼の片腕だけが封印された。
「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ 破道の九十 黒棺」
禍々しい黒い物質に囲まれた彼はきっと重症にはなるはず。次の手は確実に彼の息の根を止めなければならない。
彼はうつ伏せで倒れていた。
生きている。どの程度の攻撃になったのか·····
「·····いてぇな、おい。」
よいしょ、とゆっくり上半身を起こしていく。
「これだけ霊力浴びても、少し"下げられる"程度か、確かに手強いな」
全くの無傷とは言わないが、それは効いてないも同じ。九十番台の鬼道でこの程度しか削れないとなると相当滅却師は手強い。
「安心していいぜ。今のをまともに喰らえば、俺以外の滅却師になら致命傷を与えられる。嬢ちゃんに軍配が上がるはずだ。」
「相手が悪かった、ということね」
「まさにその通り。」
だったら一気に叩くしかない。顔に手を置いた。平子さんに『マジシャンのようだ』と言わしめた仮面が顔を覆う。
「おいそれは、」
斬魄刀をなぎ払うことで、一振につき4つの虚弾を叩き込むことができるようになった。それを彼にお見舞いしてやったが、さっきとは違い、真剣に逃げている。
「やはり、これは貴方には毒のようですね」
すると彼が膝を着いた。
「くっ·····虚化の攻撃は当たってないはず·····そうか、通常時でも霊力に虚の力が混じってるのか」