第66章 千年血戦篇弍
彼らを追って洞窟の中に入った。
「ガハッ……ゴホッゴホッ……」
ジジは衝撃で水を吐き出した。
「なんなんだ!……翼が!!!」
彼らに生えていた翼が崩れていく。
「力が……無くなっちゃうの?」
青い光を受けた滅却師は灰と化した。滅却師側にとっての緊急事態だろう。ここは一旦様子をみるべきだ。
「陛下……なんなんだ、一体なんなんだよ、俺たちはいったいなんだったんだ!」
死んでいく仲間の様子を呆然と見つめている。
その中で、よろよろと立ち上がったバンビは、ゆっくり歩を進めた。
「ジジ、ジジ、おいてかないで、」
ダラダラと水なのか涎なのかを垂れ流し、歩いてくる様はまさにゾンビそのものだ。そんな彼女が洞窟の中に入ってきた際には、ジジは招き入れて、強く引っ張り奥へと投げ飛ばすと強く抱き締めた。
「死なないからね!死なないよ!!死なないからね!!」
「当たり前だ、だれがこんなところでこんなところで死んでたまるか!」
あの光が、滅却師の力を奪い取っている。なぜだ。これは終戦への兆しなのか。
暫くして、地上に沈黙が訪れた。滅却師が大量に死んだ。
恐らく、生き残っているのは数える程だろう。
「……殺せよ」
金髪おかっぱが呟いた
「殺せよ。ここにいる滅却師を殲滅するなら今だ。さっきの技なら俺たちを殺せるだろう。」
「えっ?やだよ!わたし死にたくないよ!!!さっき言ってたじゃん、死にたくないって!!!」
「あなた、名前は?」
「リルトット・ランパード」
「あなたを生かすも殺すも私次第よ、リルトット。」
「何が知りたい。生憎だが、俺はこの状況はなにも説明できねぇぜ」
「なるほど。で?貴方の状態は?」
「陛下から貰った力は失った。戦う力はあるが、もう滅却師完聖体は使えないだろう。」
「なぜそうなったの」
「陛下に見限られたんだろうな。これはきっと……聖別だ。」
ということは、ユーハバッハが死んだ訳では無い。むしろ、強力になったと考えるべきだ。
「貴方たちはどうするの。」
「こんなところで……死んでたまるか……!!……陛下を、あいつを、この手で!!!」
その姿を見て私は洞窟から出た。
「今は殺しません。お好きなように行動してください。」
「敵に慈悲をかけるのか」
「狩るべき目標が同じならば、そのような選択も選びます。」
