第66章 千年血戦篇弍
一般隊士と思しき滅却師たちを戦闘不能にするのは簡単ではなかった。しかし、私が戦ってきた破面よりは随分と力が劣っているように思えた。
「生きている者は反応を!」
死神が数十人倒れていた。反応があった者に回道を施した。
「佐伯隊長……」
「綜合救護詰所へ行くまでの最短ルートだと、滅却師の霊圧を感じる。動けるまでにはするから、この壁から出ないで。所属は?」
この中で生きていたのはたったの4人だけだった。
「所属は?」
「み、耳が……聞こえなくて」
4人が全員、耳が聞こえないと言う。
「鼓膜が破れているのだとしたら、私では治せない。」
端末を出して、彼らからどんな敵にやられたのか尋ねた。
「声を使って攻撃してくる大きな男でした。」
「それって更木隊長が倒した男なんじゃ……」
その瞬間、衝撃波が襲ってきた。
「なるほど、音の攻撃ってやつか。今の一撃で消えた霊圧は多い。……貴方たち、もう大丈夫ですか」
「ありがとうございます。」
「隙を見て四番隊か一番隊まで走りなさい」
私は彼らを倒した男のもとへ急いだ。
声による衝撃波で建物や人が吹き飛ばされている。
「こりゃぁいいな!こえだけで、みんなふきとんでいく!」
「あなた、更木剣八隊長にやられた滅却師じゃなかった?」
「ああ?なんだと?」
「更木剣八隊長にやられた滅却師と特徴が似てると思って」
「ジェローム・ギズバットはしんだ!!!」
「では、人違いだったかしら。大猿の大きい声の男と聞いていたのだけど。」
彼は雄叫びをあげた
「俺はジェローム・ギズバットの死後、聖文字・R 咆哮を陛下より与えられた バオン・ド・ゴーム!気分がいいぜ、この力、歌を愛する俺にはもってこいだ」
「奇遇ね、私も歌は好きよ。一番隊長、佐伯ポインティ。お相手するわ。」
彼は巨躯ゆえに、反応が遅い。
「守護せよ氷月!」
氷月の氷結刻印で彼の体温を低下させて、じっくりと体力を削っていこう。
「おれには触れることもできねえよ!!」
彼の口から出る声は衝撃波となる。なるほど、たしかに物理的に近づくことは困難かもしれない。近づくと皮膚や身が裂けてしまった。これは内蔵や骨も声だけで潰されかねない。