第46章 白雪姫
湿った土の香りと動物の匂いがする
でもさっきまで居たのは夏祭りの会場だ。ならばこんな匂いのするところ知らない
もしかしたら中学2年生の時のように何か事件に巻き込まれてる時かと思い上体を起こそうとすると、倒れたときぶつけたのか苗字の頭に痛みが走る
『…ったた、どこだここ』
それとも動物園にいるのだろうかと目を開けると、雑木林で思考が止まる
状況をよく理解しないまま瞬きをすると足音が聞こえてきて誰か来てくれたのかと振り返ると、視界に鹿が現れた
『し、鹿ぁ!?っえ、あ!?』
再び声をあげたら違和感を覚える。違和感なんて感覚どころじゃない確信している
自分が知っている声よりも声が高い。これを知ってる、デジャヴではない2回目だ
あの時のように自らの手を確認すると、見事予想は的中。手が小さくなっていた
服は少し土で汚れていたが明らかに体が縮んでおり、土で汚れた黒い髪に手櫛を通し立ち上がる
『…川を探そう』
2回目だからかは不明だが、ヤケに落ち着いている苗字は森の中で唯一自分の姿を確認出来るであろう川を探す
動物の瞳。というのも浮かんだが無理だ。ガン見するのには向いていない
そう考えながら全神経を注ぎ耳を澄ませると水の音が聞こえた。その方向に足を進めると、彼女の予想通り川が流れていた
『あった…!』
駆け出してパッと身を乗り出す。するとそこにはあの時のように小学生か中学生くらいの苗字がいた