第45章 帝光祭
話し合いの末彼女は小人(笑)が仕事に出てる間家事をすることで居候を許してもらえたので、見たこともない満面の作り笑顔を彼らに向けた
『ありがとう小人さんたち。一生懸命働くね』
「ああ。留守の間頼むのだよ」
「…なんかそれぞれに合った小人になってんな」
「それオレも思いました。真ちゃんなんてそのまんま」
「紫原が喋らない役なのが面白いな」
「黒子がひたすらくしゃみしてんのも面白くねーっすか?」
何日か過ごして仕事に行った小人達を見送った白雪姫の元に、彼女が生きていることを知った継母が毒りんごを持ってやってきた
「お嬢さん、赤くて丸くて美味しいりんごはいかが?」
『ありがとうおばあさん』
いつの間にかこの劇は応援上映のようになっており、客席から「食べちゃダメー!!」と声が上がっている
流石に言う通りにしたら話が進まないので、このために用意されたスーパーで買ってきたりんごを1口齧り、飲み込んだ
『ぐっ…』
その瞬間、苗字の視界が歪み始める
演技のはずだ。なのにりんごを食べて視界が歪むのはおかしいし、飲み込んだだけで一気に効果が出る毒なんてあるのかと体を重力に任せて倒す
段々と瞼が重くなっていき視界も真っ黒になっていく中、客席から「白雪姫―!!」という野次が聞こえてきた
「帰ったのだよ」
「ただいまー」
「掃除ちゃんとしてんのか!」
「してるに決まってるじゃないっスかー!」
「綺麗にしてくれて嬉しい。照れちゃう」
「はっくしゅ!!」
「…」
そんな彼女の状況を知らず小人達は家に帰ってくる演技をする。はずだった
だが次の瞬間彼らの視界は別の場所に変わっており、目の前に苗字の姿はない
確認するが赤司の姿もなく、彼らは慌てながら状況の確認を始めた