第46章 白雪姫
仕事と言っても何をするのか分からないので結局バスケもどきをしていたところ、青峰の唐突な「嫌な予感がする」という言葉で家に戻る
扉を開けると倒れる苗字と付近に転がるりんご、そんな彼女を見守る高尾が視界に入った
「名前っち!」
「…継母が来たのか?」
「来てねえ。気がついたら窓際にりんごが置いてあっただけ
察した名前ちゃんが食って今この状態」
「シナリオ通りってミドちん言ってたもんね…えっとーこの後は…」
「っぐしゅ!棺を、名前さんを棺に入れて、王子を探さないと」
「棺なら名前ちゃんがりんご食ったあと外に出てた。あとはその中に運んで赤司を待つだけだ」
「…赤司君が来なかったら、名前ちゃんこのままってことだよね?」
桃井の問いに誰も答えることが出来ず沈黙が生まれた
そんなことにはしたくないと誰もが考えている中、佇んでいた高尾が翼を広げて屋内を飛び始める
「流石にオレは名前ちゃんのこと運べねえから空から赤司いねーか探してくる」
「高尾、頼むぞ」
「真ちゃんこそ倍以上ある名前ちゃん運べねえって泣くなよ」
「泣くわけないだろう」
開いていた窓から高尾飛んでいく。シナリオ通りにこだわっている世界だから間違いなく連れて来るだろうと彼の事を信じ、しんみりしている空気の中灰崎が苗字に近づいていく
「じゃあオレたちは苗字のこと運ぶか」
「そーだな、さつきは無理すんなよ」
「ううん。今みんなと同じくらいだもん。運ぶよ」
そう言った桃井が腕に触れると、昨日寝るときにあった温かさがなくなり冷たくなり始めていた
「…名前ちゃん、冷たくなってきてる」
「…赤司がくりゃ平気だろ」
「でも来なかったら、起きないんだよね?」
桃井の目から涙が零れ、それを見た正面にいる黒子が「大丈夫ですよ」と言うが、確証がないことは誰もが分かっている
彼女の涙につられて涙ぐみそうになりながら苗字のことを棺まで運び入れると、桃井はそこから動こうとせずずっと苗字のことを見つめていた