第46章 白雪姫
『いってらっしゃーい』
3日目、そろそろ継母が魔法の鏡に1番美しいのは誰か問いかけて白雪姫が生きていることを知るのではないかと想像する
そもそも間違いなくこの世で最も美しい顔ではないがいいのか疑問を持ちながら家事を進めていると、周りを観察していた高尾が戻って来た
『おかえり。なんかあった?』
「特にねえけど名前ちゃん、窓際の気づいてる?」
『え?』
高尾が翼で指している方向を向くと、赤くて丸く艶やかで傷1つついていないりんごが置かれていた
老婆に化けるはずの継母役は存在しないのか、てっきり虹村かと思っていた彼女はそのりんごを両手で取り見つめる
これを食べたら死ぬのは知っている。そう思うとなんだか手が震えてきた
それを誤魔化すように高尾の方へと向く
『和成』
「おう」
『あたしが倒れても小人達は呼ばなくていいよ』
「帰って来るまで待ってろってこと?」
『うん。責められても気にしないで、シナリオ通りだから』
「もし王子が来なかったらオレが起こしてやるよ」
『はは、それはお姫様がカエルになっちゃう話の逆バージョンみたいだね』
「鷹から人間に戻れるかもな」
笑いながらあとは齧るだけの距離までりんごを口に近づける。手が震えるが、食べなければ話は進まない
『じゃあまたね和成、みんなによろしく』
「おう。あとは任せとけ」
静かな家の中苗字がシャクリと音を立ててりんごを飲み込む
目の前の景色が回り始め、意識を手放した彼女が倒れこむ寸前に高尾が腕もとい翼を伸ばし頭をぶつけないように守った