第45章 帝光祭
一方、観客席では虹村と高尾が並んで座って劇を見ていたが、実の母と継母、鏡まで出て来たのに当の白雪姫が名前しか出て来ておらずソワソワしてしまう
継母の使い、狩人が姫を逃がすシーンになっても彼女は出てくることはなく、周りには聞こえないように小さい声で高尾がつぶやいた
「白雪姫出てこねーな…」
「さっきステージ裏ざわついてたから、苗字に何かあったんじゃねえか」
「いやこれでうまくいなかったらどうすんだ赤司…」
まさに手に汗握る展開。周りは知らない自分たちの課題を見守るべく来たのにどうなるのかと見ていると、狩人が客席に降りた
いるはずもない白雪姫を誘導し、そのまま後方に進んだ彼は体育館の後方の扉を開ける
暗い体育館の中、差し込んでくる外からの眩しい光ともに人影が現れた
『…こんなところで1人にされても困っちゃうなぁ』
「お、名前ちゃんいんじゃん!」
「何とかなったみたいだな」
照明に照らされる苗字はそのまま客席を千鳥歩きで進み、困ったような表情を浮かべ客席の中立ち止まる
周りを見て先輩かも後輩かも分からないが男性何人かで来ている人物に目を付け、目線を合わせた
『小鳥さん、どこに行けばいいのか知ってる?』
「お、オレ?!」
『…小鳥なのにずいぶん大きいな?ウサギさんはどこに行けばいいのか知ってる』
「私がウサギさん!?」
客席を引き込みながら前に進んで行く先はいつの間に入れ替えたのか大道具が変わっており、ステージの陰ではこっそり入ったカラフルな頭たちが緑間と合流していた